《ニュース》

香港行政長官である林鄭月娥(キャリー・ラム)氏はこのほど、立法会(議会に相当)の施政方針演説に当たる施政報告で、「国家安全法」よりも取り締まり対象が広い「国家安全条例」の制定を目指すことを表明しました。

《詳細》

国家安全法では、「国家分裂」「政府転覆」「テロ活動」「外国勢力との結託」を取り締まりの対象としています。香港当局が次に制定を目指す「国家安全条例」ではそれらに加えて、「国家への反逆」「反乱の扇動」「国家機密の窃取」も"犯罪"とします。

従来の国家安全法では、例えば「香港独立」を叫ぶことは「国家分裂」と見なされます。「光復香港、時代革命(香港を取り戻せ、革命の時だ)」と書かれた旗を掲げることも「国家分裂」となり、外国の新聞社の取材を受けることも「外国勢力との結託」という罪状で起訴されるなど、かなり無理な運用が目立ちました。

しかし国家安全条例が制定されれば、「国家への反逆」「反乱の扇動」などの理由により、より幅広く民主派を取り締まることができます。

同条例は、香港の政府が2003年に制定しようとしたところ、市民による50万人規模の反対デモが起き、撤回に追い込まれた経緯があります。

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