メディアの形は進化し続け、情報の量は増え続けている。便利な反面、その情報をどう消化すればいいのか。セールスで、人の心をつかむプロフェッショナルに話を聞いた(2016年2月号記事より再掲。内容や肩書きなどは当時のもの)。

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長谷川千波

(はせがわ・ちなみ)LUNA株式会社・代表取締役。愛知県生まれ。教材販売会社に入社し、26歳で大阪支社営業所長に抜擢。現在、営業コンサルタントとして企業コンサルティングを手がける。著書に『人見知り社員が NO.1営業になれた私の方法』『営業の悪魔』(以上、祥伝社刊)がある。

私は営業で、様々な情報を集め、武器にしています。

ある雑貨屋の社長に営業していた時、先方が「国内市場は厳しいから、輸出に踏み出したい。でも売れるかな……」とつぶやかれたんです。

そこで私は、「フランスでは、日本のお弁当箱が『クール』だと言われて流行っているんですよ」とお伝えしました。少し前にテレビで見て、「どこかで使えるかも」と思った情報です。

社長はすぐネットで調べて、「本当だ!」と大喜び。一気に信頼していただけました。

セールスで相手の心を開く秘訣は、単なるコミュニケーション力ではありません。大事なのは相手が「得した」と思うような情報を与えること。そうすれば「この人とつき合いたい」と思われるんです。

「専門家」として信頼を得る

情報力が信用につながることを、最初に実感した体験があります。

昔、会社のイベントで使う景品を買いに、ある家電量販店に行った時、たまたま出会ったMさんという販売員に「何を買ったらいいか」と相談したんです。

するとMさんは店内を駆け回り、ユニークな家電や便利グッズなど、部下の年齢層が喜びそうなものを、短時間で、しかも予算の範囲内で集めてくれました。思っていた以上の買い物ができ、感動しました。

別の日にパソコンを買いに行った時もMさんに相談したら「2000年問題(*)があるから」と言って、買うのを待つようアドバイスしてくれました。

また別の日もその店で買い物をするとき、他の店員に「Mさんいますか?」と聞きました。返って来た答えは、「今日は休みです。聞かれたの、今日で何人目かな……」。Mさんにはファンが沢山いたんです。営業成績は当然いいでしょうね。

Mさんの「提案営業」は、商品知識や業界知識、世の中の様々な情報を常に仕入れることで真似できます。

お客様は、的確なアドバイスができる営業マンを「専門家のアドバイザー」としてリスペクトしてくれます。 単に「元気はつらつ」なだけの営業マンよりも、よほど信頼されます。

もちろん「在庫をなくせ」といった企業側のノルマもあるでしょう。しかしその中でも、「その商品が、どうお客様の得になるか」を自分なりに掘り下げて考えることは可能です。

(*)西暦2000年にコンピュータが一斉に誤作動する可能性があるとされた問題。

「へえ」で終わらない

営業のための情報源はさまざまです。

私は、新聞も一般紙と経済紙をそれぞれ読み、テレビや雑誌も目を通します。本も、プロの編集者が体系的に書いているので重宝しています。尊敬する専門家のメルマガを購入する時もあります。

情報を得る時のポイントは、単に「へえ」で終わらせないこと。「なぜだろう?」「誰かの役に立てないか?」「セールストークに落とし込むなら?」と常に意識しています。

そうすることで、必要な情報が選択され、いつでも使える状態で「頭の引き出し」に入ってきます。

面白い情報に出会う喜び

ただし、情報を集める際には、「明日の商談のため」などと考えすぎないほうがいいでしょう。

好奇心を大事にしながら、面白い情報に出会う喜びを、日々味わう。そんなイメージで勉強すれば、続けられます。

そうして得た知識は「トーク」の中で使わないかもしれません。しかし、営業マンが教養ある雰囲気を出すことで、お客様に「付き合いたい」と思われるのです。(談)

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