《ニュース》

福島第一原発で増え続ける、トリチウムなどを含む処理水について、東京電力はこのほど、海底トンネルを新設し、沖合1キロメートル付近から放出する計画を発表しました。

《詳細》

「処理水」とは、原子炉内で溶けた核燃料などを冷却するために使われた水に地下水や雨水が混ざったものから、多くの放射性物質を除去したもの。トリチウムだけが除去できずに残っていることから、発電所敷地内のタンクに貯蔵され続け、問題化していました。

政府はトリチウムを基準値以下に薄めて海洋放出する方針を発表しましたが、これに地元漁業関係者や地元住民から「風評被害につながる」との批判が殺到。なぜか日本列島を挟んで反対側の中国や韓国政府からも、抗議の声が出ていました。

こうした抗議を受け、政府と東京電力は当初有力だった「沿岸から放出する」という案を捨て、今回の「1キロ沖での放出」を検討するに至ったといいます。

トンネルは直径2.5メートル程度のものが想定されており、海底の岩盤をくりぬいて掘削されます。ボーリング調査や不発弾などの危険物がないかを調べる磁気探査などを踏まえて工事を行い、2023年春ごろの放出開始を予定しているといいます。

《どう見るか》