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中国の立法機関、全国人民代表大会(全人代)の常務委員会が17日から始めた会議で、「反外国制裁法」の香港への適用が審議されていると見られます。
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香港メディアは、中国の全人代で、外国の制裁に反撃するための「反外国制裁法」の香港への適用が審議されていると報じています。会議最終日の20日に可決される見通しです。
反外国制裁法は、対中制裁に関与した個人・団体の中国本土内の資産を凍結したり、入国を禁止したりできると定めた中国の法律です。人権問題などで対中制裁を強化する欧米に対抗するため、中国本土で6月に施行されました。
もともと中国本土にのみ適用されていた法律で、「一国二制度」をとる香港は同法の対象外とみなされてきましたが、新たに適用対象となれば、米政府の制裁に従ってきた外資系金融機関などが対応の見直しを迫られる可能性があります。同法は「外国の差別的な制限措置」への協力を禁じ、制裁による被害者は損害賠償訴訟を起こせると定められています。
香港に進出する金融機関や企業にとっては、アメリカからの制裁を順守しなければ米国法で罰せられ、さらに、中国側からの報復措置のリスクも織り込まなければならなくなり、非常に厄介な問題となっています。香港でのビジネス活動の先行きは見通しにくくなり、国際的な金融センターとしての地位を弱めることになりかねません。
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