2021年9月号記事
Divine Economics
サプライサイド経済学の父
フラット・タックスが繁栄をもたらす(後編)
Part 14
レーガン、トランプ米政権およびサッチャー英政権で、大型減税による税のフラット化を成し遂げたラッファー博士に、前編に引き続きフラット・タックスの意義について聞いた。
(聞き手 長華子)
トランプ大統領の経済顧問
アーサー・B.ラッファー
1940年生まれ。イエール大学を卒業後、スタンフォード大学で博士号を取得。経済調査とコンサルティングのラッファー・アソシエーション会長。サプライサイド経済学の父。レーガノミクス、トランポノミクスを導いた。大統領選挙中よりトランプ氏の経済政策顧問を務める。著書に『増税が国を滅ぼす』(日経BP社)、『トランポノミクス』(幸福の科学出版)などがある。
──累進課税に比べてフラット・タックスは、明確で支払うのが簡単です。そして誰もが同じ負担をします。
ラッファー博士(以下、ラ): 簡単で公平で論理的です。もしあなたが金持ちで90%所得に課税されるとしたら、あなたは公平だと思いますか?
──公平ではありませんし、彼らの働く意欲を奪います。
ラ: 金持ちに対する差別ですよ。政府はあなたのお金を盗んでいるのです。
もしフラット・タックスにしたら、全ての人が公平だと感じ、課された税金を自発的に払うようになります。
私があなたより10倍の所得があったら、10倍の所得税を払う。シンプルなことです。でも、1000倍の所得税を負担すべきではありません。それでは不公平になります。大学の先生は、一番良い学生に、高い評価を与えますね。悪い生徒に高い評価を与え、出来の良い学生に悪い評価を与えるべきではないのと同じです。政府がやっているのは、まさにこうした不公平なことなのです。
成功者を差別すれば国は衰退へ
貧困層の成功を押しとどめる現行の税制
政府は大盤振る舞いで民間経済を乗っ取る