2021年8月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第105回


釈党首

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.

"ワクチン全体主義"に要注意

「ワクチンの予約のため、会社を休み、朝から3000回も役所に電話をかけた」

身近にこんな話を聞き、驚きました。コロナ感染を恐れ、必死でワクチンを接種しようという人は、少なくなさそうです。

政府の焦りが接種圧力に!?

ワクチンを打つか、打たないかはそれぞれの判断です。しかし問題は「ワクチンを接種しないといけないかのような空気」がつくられつつあることです。

菅政権は今、東京五輪開催までに、できるだけ多くの人がワクチン接種をするよう、「1日当たり100万回接種」を目指し、アクセルを踏んでいます。

高齢者の接種を何が何でも「7月末」に完了するよう、政府が自治体に並々ならぬ圧力をかけているとの報道もあります。

そうしたなか自治体も、「接種済証」を示すと値引きなどのサービスを行う店に公金で補助を行うなど、大々的な接種推進策を行っています。

政府は海外渡航者を念頭に、ワクチン接種歴を証明する「ワクチンパスポート」を今夏にも発行する方向で調整しているといいます。

こうした施策や関連する報道により、事情があってワクチンを接種できない人や、接種するつもりのない人に、「感染対策に協力的でない人」というレッテルが貼られないか、心配です。

厚生労働省は建前上、「予防接種による感染症予防の効果と副反応のリスクの双方について理解した上で、自らの意志で接種を受けていただいています」と言っています。しかし、その効果とリスクがバランスよく国民に伝えられているようには見えません。

そこで、ワクチンの効果と副反応について検証してみます。

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自治体から各家庭に届けられるワクチン接種券。画像:umaruchan4678 / Shut terstock.com


検証が不十分な副反応と効果

「ファイザー製ワクチンの有効率は95%」と言われれば、「100人接種を受けたら、95人が感染から守られる」と考えてしまいがちです。しかしこれは、「ワクチンを打ったグループは、ワクチンを打たなかったグループに比べ、感染者数が20分の1だった」ということ。その元になった臨床実験では、99%以上の人は、ワクチンを打っても打たなくても、感染しなかったことが分かっています(*1)。

国別に見ると、接種が進んでいるイスラエルでは、封じ込めに成功したとされます。しかしここも変異株で感染が拡大する可能性はあります。

次いでワクチン接種が進むチリでは、感染者はむしろ増えています。もっとも、チリで使われたワクチンの9割は中国製なので、別事情かもしれませんが。

最も心配されているのは、副反応の問題です。

新技術を使った人類初のワクチンは、理論的には安全性が示されているとのことですが、長期的な臨床試験のデータはなく、今後どのような影響が出るかという検証は不十分です。このため「国民を総動員しての大規模治験中」との指摘もあります。

そんな中、ワクチン接種が進んだ6月4日時点で、主にファイザー製のワクチンが、およそ1800万回接種され、接種後に196人が亡くなられたと報告されています(*2)。厚労省の資料でも、「接種後に脳出血やくも膜下出血で亡くなった」といった事例があり、因果関係が「評価できない」とあります。

中長期的な影響として、「変異株に対する重症化の懸念」「不妊症の懸念」「自然免疫が弱まる可能性」を指摘する専門家もいます。さらなる検証が待たれます。

結局、人間の体は、一人ひとり違い、ワクチンの効果や副反応も人それぞれですので、政府や自治体が確定的なことは言えないはずです。

だからこそ、政府やマスコミは、正しい情報を公平に開示・報道するべきです。

その上で、接種については各人の判断が尊重されるべきでしょう。間違っても、接種が感染予防の切り札として強制されたり、「ワクチンを打たない人の自由が制限される」といった"ワクチン全体主義"の国にならないようにすべきです。

唯物論にもとづく恐怖にとらわれ、ワクチンや特効薬を絶対視したり、逆に医療の救済の力を過度に否定することはどちらも極端な見方でしょう。

人間は、心の力で未来を拓いていける霊的存在です。神に期待された使命を生き抜くという姿勢──それこそが今、求められることではないでしょうか。

(*1)この有効率そのものが過大評価だとする指摘もある。
(*2)インフルエンザワクチンは接種者数5600万のうち、死亡報告は5人だった(令和元年シーズン)。