《ニュース》

日本の国公私立大学のうち計45校が、中国人民解放軍の傘下で軍事関連技術研究を行う中国の7大学、「Seven Sons of National Defence (国防七子)」と学術・学生交流協定を結んでいることが判明しました。45校のうち9校に共同研究の実績があったとのことです。

《詳細》

国防七子と称されるのは、北京航空航天大学、北京理工大学、ハルビン工業大学、ハルビン工程大学、南京航空航天大学、南京理工大学、西北工業大学の7校です。これらの大学は、防衛産業を統括する「中国工業情報省」の管轄下にあり、他国から技術を窃取して党に持ち帰るなどスパイ活動にも関与しているとされます。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は、国防七子との研究協力についてリスクが「非常に高い」と指摘。7校のうち4校はアメリカの禁輸対象に登録されており、日本でも3校が技術輸出に許可を必要とする経済産業省の「外国ユーザーリスト」(輸出技術が大量破壊兵器等の開発に転用されるおそれがある外国の企業名、組織名を列記した表)に掲載されています。

共同通信によると、国防七子と協定を結んでいることが明らかとなった45校のうち、協定を見直す可能性があると答えた大学は16校。全体の3割ほどにとどまったということです。例えば原子核について共同研究を行う大阪大学は、「適切な手続きを行った上で人的交流と共同研究を実施」しており、「(研究は)世界的な注目を集めている」と回答しています。

国防七子との交流について、文科省から特に注意喚起は行っていないようです。一部の大学に経産省の輸出制限がかかってはいるものの、交流や共同研究については各大学の判断に委ねられているのが現状だと言えます。

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