9日付毎日新聞で、東レ経営研究所特別顧問の佐々木常夫氏は震災復興に向けてこのような提言をしている。「最近、被災された人を優先的に雇用する企業が出てきている(中略)。この動きを広げ、被災地の経済力を維持、拡大させるには、現状復興のみならず、企業誘致にも知恵を出していかなければならない。たとえば、被災地での企業活動に対し、税制面や金融面で大きな優遇措置を付与し、企業進出を促していく必要があるのではないか」

支援策には優先雇用などさまざまなものが考えられるが、企業誘致はより一層、根本的な経済復興につながるだろう。単に資金を投入して生活支援をするだけでなく、被災地がいち早く自立できる方向を目指して知恵を使わなければならない。政府が今、法改正を急いでいる社会資本整備(PFI)などもその一つだろう。

さらに金融庁は8日、金融機能強化法を改正し、被災地にある金融機関が公的資金を受けやすくなるよう、申請期限の延長や経営目標の基準を緩和するなどの方針を明らかにした。「焦げ付き」を懸念する金融機関が、その資金をどれだけ被災者や被災企業に流すかは未知数だが、復興に向けての見通しが立つような法整備を早急に進めなくてはならない。

まだまだ、復旧・復興に向けた震災関連立法が遅れているといわざるを得ない。阪神・淡路大震災の時は、一カ月後には「震災復興基本方針法案」など関連法3本がすでに成立していた。今回はまだ一つも成立していない。被害地域が広いことは否めないが、政府は一刻も早く、復興ビジョンとそれに向けた法改正の道筋を示す必要がある。(雅)

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