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《本記事のポイント》

  • 新型コロナの影響で、にわかに東京五輪の延期論が高まる
  • 日本経済の先行きが厳しく、安倍政権は補正予算を編成へ
  • トランプ氏は、日本の消費税全廃を超えるインパクトを持つ減税を提案

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事を務める高橋治之氏が、新型コロナウィルスの影響で開催が困難になれば、開催を1~2年延期する可能性があると述べたことを、10日付米ウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じた。

記事によると、理事会ではまだウィルスの影響について議論は行っておらず、3月下旬に開く次回の理事会までに検討するという。

すでに、国際オリンピック委員会の上級委員ディック・パウンド氏は、ウィルスの感染拡大が今後3カ月以内に終息しなければ、中止や延期の可能性があることに言及。それを判断する期限を5月末としていた。

日本経済の先行きは厳しい

大和証券は、東京五輪が中止になれば、7.8兆円の経済損失となると試算している。

足元の経済状況も芳しくない。2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、消費増税などの影響で、年率換算で前期比マイナス7.1%となった。景気が冷え込む中、コロナ問題が直撃したことで、2期連続のマイナス成長になる見通しが出ている。

3月11日の春闘では、ベースアップを見送る企業の回答が増え、賃金が上がる機運も高まっていない。先行きを見ても、昨年10月の増税とともに始まったキャッシュレス決済のポイント還元は、今年6月末に終了。これが終了となれば消費の勢いはさらにシュリンクし続けるだろう。

今の日本経済には明るい材料が乏しいと言える。

トランプの給与税減免は、消費税全廃を超えるインパクト

そうした中、安倍政権は新型コロナの対策で、10~20兆円規模の補正予算を組む方向で動いている。具体策としては、「子育て世帯に3万円を給付する案」が検討されている。

だがその場合、「子育て世帯以外の人々は給付を受けられない」という不公平感が生じる。たとえ現金3万円を配ったとしても、多くの人は貯蓄に回し、十分な経済効果も見込めないだろう。

一方、トランプ米大統領は11日夜(現地時間)、景気対策を盛り込んだ演説を行った。その中で同氏は、「給与税の減免」を議会に要請した。米メディアは、今年に限った措置として、減税規模は年間1兆ドル(約106兆円)と報じている。

給与税は、連邦政府の歳入の3分の1を占め、社会保障の財源となる重要な税金だ。2017年末に策定した税制改革が、年平均で1500億ドルの減税だったことを考えれば、1兆ドルの政策は桁違いに大きい。

これを日本に置きかえて言えば、消費税を0%に引き下げる以上のインパクトがある。消費税は税収の2割を占めており、トランプ氏はそれを超える提案を行ったのだ。

消費税をなくせば、事実上あらゆる商品やサービスが1割値下げとなり、消費が一気に活性化するだろう。消費減税は、東京五輪が中止・延期になったとしても、日本の内需を支える大きな特効薬となるはずだ。

(山本慧)

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