写真提供:ピクスタ
2020年4月号記事
経営者・ビジネスマン必読
「中国発大不況」を生き抜く銀行交渉
前月号の特集「地銀9割消滅!?」に、多くの経営者から反響をいただいた。
新型肺炎の影響で中国発の不況が加速しそうな中、日本の地銀も危うくなる。
今回は、より踏み込んだ、銀行との交渉術をお届けする。
(編集部 山本慧)
新型コロナウィルスの影響が長引けば、中国の企業は窮地に追い込まれ、日本にもその影響が広がっていく─。
コロナ問題を受け、中国の今年の経済成長率は4%台に落ち込む可能性が浮上している。中国当局が昨年実施したストレステスト(健全性審査)によれば、「経済成長率が4.15%になれば、大手銀行30行の不良債権率は5倍になる」という。
中国の銀行が抱える不良債権(リスクが高い債権を含む)は昨年9月時点で少なくとも約98兆円。それが5倍になれば、多くの銀行は経営危機を迎える。
邦銀の対中融資リスク
日本の銀行はこれまで、借り手が少ない国内をあきらめ、国際金融市場を通じて中国に間接的に融資。中国はそのお金を国内の投資や軍備拡張に回し、高い経済成長を遂げてきた。
だが中国経済が失速し、中国の企業や銀行が次々と倒産すれば、日本の銀行も大損して、「地方銀行が9割倒産する可能性」もある。日本の政府や企業は早急に対策を行う必要がある(本誌3月号詳述)。
ただでさえ景気が悪い銀行業界では、合併などの が進んでいる。再編の最中には、融資方針を変えたり、支店長や融資の担当者を変更したりして、貸しはがしをするケースが起きやすい。ここに、中国発の大不況が直撃すれば、貸しはがしなども一気に増えるだろう。
経営者にとって資金調達は、事業存続の生命線だ。経営者が実践すべき銀行交渉のコツについて、冠婚サービス業を全国で展開する中小企業のA社長と、ある銀行の支店で法人営業を担当するB部長に聞いた。