中国が近々、デジタル通貨「デジタル人民元」を発行するのではないか、との見方が広がっています。
中国政府系のシンクタンクである中国国際経済交流センターの黄奇帆副理事長は、10月に開かれた講演会で、「(中国の中央銀行である)中国人民銀行(以下、人民銀)は、世界の中央銀行の中で、初めてデジタル通貨を発行するだろう」と述べました。
また、中国経済誌「財経」は、中国人民銀行は深セン市と蘇州市でデジタル人民元のテストを開始する見込みがあると報じました(12月9日付電子版)。報道によると、2019年末に小規模な運用を始め、第二段階は深セン市で2020年後半より大規模な運用に取り組むとのことです。
ただ、人民銀はデジタル人民元の発行を否定。ネット上で流れているデジタル通貨の発行時期などの情報は、正しくないとしています。
もしデジタル人民元を発行すれば、主要国としては初めての試みとなります。本記事では、デジタル人民元とは何なのか、どのような狙いがあるのかについて、考えてみます。