2020年2月号記事

共産中国、EU、国連「解体」の10年に

2020-2030 世界を読む


contents


Part 1

「途上国化」する日本

日本が中国からGDP2位を奪還するために必要な、2020年代の戦略を考える。

Interview

対中戦略は新産業の創出

中国にGDPを抜かれ、先行きに暗い影を落とす中、日本がとるべき戦略について聞いた。

作家・経済評論家

渡邉 哲也

(わたなべ・てつや)

1969年、愛知県生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評がある。最新刊は『世界と日本経済大予測2020』(PHP研究所)。

PHP研究所

世界経済の行く末が不透明になっています。背景には米中貿易戦争やイギリスの欧州連合(EU)離脱がありますが、一番の問題はやはり中国でしょう。

中国が元凶であるバブル経済の問題が世界中に影響しています。それについて中国、EU、アメリカの順に見ていきます。

中国はこれまで、不動産などを過剰につくり、景気をよく見せることで海外からの投資を呼び込んでいました。しかし多くの物件が売れ残り、政府や民間が抱える債務が莫大な額となって、中国経済の信用が揺らいでいます。これは 不動産バブルが崩壊している状態と言えます。

実際に2019年7~9月の中国のGDP成長率は、過去最低の6%を記録。「実質的にはマイナス成長」と指摘する声が中国国内のシンクタンクからも上がっています。

また中国では、豚などの食料価格が高騰したことで政府への不満が高まっています。庶民の不満で暴動が起き、それが共産党政権の打倒に発展しかねない状況です。同時に中国政府は、香港問題も抱えています。

この状況でアメリカは、中国に経済の統制をやめるよう要求。共産党が応じれば、海外に資金が逃げ、経済破たんするでしょう。

次ページからのポイント(有料記事)

中国絡みのバブル問題

産業の空洞化を埋める

Interview 憲法に「安い税金」の明記を / 全米税制改革協議会(ATR)会長 グローバー・G.ノーキスト氏

Part 1 ポイント解説