ストレスの多い社会において、「いかに情緒の安定した子供を育てるか」ということは切実なテーマでしょう。その文脈で、「宗教」の重要性に目を向ける必要がありそうです。

7日付米ウォールストリート・ジャーナル紙に、ユダヤ教徒で精神分析医のエリカ・コミサー氏の寄稿が掲載されました。コミサー氏は、児童や思春期の青年に気分の落ち込みや不安症が流行している理由として「宗教への関心が薄れていること」を挙げています。

同氏は、米ハーバード大学の研究で、信仰ある家庭に育ち、週に一度礼拝に出席している子供は、精神的な病気にかかるリスクが少なく、薬物中毒などに陥る割合も低いことを紹介しています。

無神論の保護者から「神も天国も信じていないのですが、子供に対して、死についてどのように説明すればいいのでしょう」と質問を受けることがよくあるというコミサー氏は、次のような「"嘘"をつきなさい」とアドバイスするといいます。

「『死んだら、灰になる』というのは、一部の大人にはいいのかもしれませんが、子供のためにはなりません。天国を信じることは、子供たちが困難に立ち向かう時の支えになるのです」(コミサー氏)