写真:Peek Creative Collective / Shutterstock.com
《本記事のポイント》
- 中国の「愛国映画」が大ヒット
- 共産党オブジェが並ぶ「テーマパーク」
- トップ"人気"の愛国アプリに貿易戦の歌
中国では最近、愛国をテーマにした映画が人気となっている。
10月1日の建国記念日に合わせて公開された愛国映画は3本。題材はそれぞれ異なるものの、いずれも「祖国の大切さ」「団結の重要性」が描かれている。そのうち、中国建国70年史における"名場面"をオムニバス形式で描いた「我和我的祖国」は、興行成績は約420億円。中国の映画史上9位の実績だという。
映画の公開・ヒットの影には、習近平政権が大手をふるって行う愛国心政策があるとされている。
共産党オブジェが並ぶ「テーマパーク」
習近平政権による愛国心政策は映画のみならず、幅広い領域で見られる。
中国中部に位置する都市・武漢には2015年、「中国共産党テーマパーク」なるものが建設された。「テーマパーク」とはいえ、その実態は普通の市民公園に共産党を想起させるオブジェが多数並べられているというもの。その中には、習主席が掲げる「社会主義核心価値観」の標語をかたどったものもある。
市内にある他の公園も「愛国主義」や習近平政権が掲げる「法治」をテーマにリニューアルされ、毛沢東の標語が掲載される公園へと変貌を遂げている。
トップ"人気"の愛国アプリに貿易戦の歌
政権のプロパガンダは、市民の娯楽にまで根を降ろし始めている。
例えば、今年から運用が始まった中国共産党公式アプリ「学習強国」が話題を呼んでいる。
公開後に中国のApp Store内においてダウンロード数ランキングで首位に入った。
このアプリは毎日配信されるニュースや動画を視聴することで、ポイントが貯まる仕組みになっている。ニュース内容も、習政権の言動を「勇猛果敢」に脚色し、政権の標榜するプロパガンダをこれでもかというほどに洗脳するものだ。
政府は同アプリへの取り組みを全国の共産党員と学生に必須としているという。
また、中国のソーシャルメディアでは「貿易戦」という歌が流行している。もちろん、アメリカとの貿易戦争に関するものだ。
中国政府は他民族に対する"愛国教育"にも抜かりがない。ウイグル人の「再教育施設」の中でも、人々は習主席を礼賛する歌を教え込まれ、忠誠を誓わされている。
中国が浸透させようとしている"愛国心"には、習政権への忠誠心や、史実に基づかない歴史観など、怪しいものも含まれている。
しかし、その"愛国心"を原動力に覇権拡張を進めているのは確かだ。そうした中で、日本が自虐史観にとらわれていては、外交面でも安全保障面でも打ち負かされてしまう。
(上野詩織)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『習近平の娘・習明沢の守護霊霊言 「14億人監視社会」陰のリーダーの"本心"を探る』 大川隆法著
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