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鄭家朗

プロフィール

(アイザック・チェン)1999年、香港生まれ。2017年4月から民主派政党「香港衆志(デモシスト)」の副主席を務める。最年少の17歳で同党の幹部になり、話題を呼んだ。

香港の抗議デモが大規模化してから、100日が過ぎた。

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9月上旬、「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明したが、遅すぎる対応に市民の怒りは爆発し、抗議デモはかえって激しさを増している。

デモ隊の中心にいる民主派政党「香港衆志(デモシスト)」の副主席・鄭家朗(アイザック・チェン)氏に、香港デモの最新動向や日本への期待について聞いた。

(聞き手:国際政治局 小林真由美)

◆           ◆           ◆

──香港デモの今の状況について教えてください。政府に抗議するデモ隊を、親中派の中国人や香港市民が攻撃する事件も多発しているようですが……。

チェン氏: 今月2日、私は政府に抗議して授業をボイコットした中高生らの集会を運営しました。その帰宅途中、3人の男に襲われて、顔を複数回殴られました。3人はまだ捕まっていませんが、親中派の香港人だったと思います。政府に抗議する私や団体に対する脅しなのでしょう。

香港デモは最終的に、中国の体制を脅かすと思われています。デモに参加する学生に対する学校の罰則強化や、多くの人が香港に対する中国政府の監視を容認している状況もあります。いわゆる「白色テロ」が起きているのです。

「民主的な選挙の実現」まで戦い続ける

──そうした「白色テロ」があっても、香港の人々はデモ活動を断念しないのですか。

チェン氏: こうした中でも、私たちがデモ行進をしていると、数多くの香港人が合流してくれます。地域の人々との結束がどんどん強まっていることを実感します。

「デモシスト」は、2014年の雨傘革命がきっかけで立ちあがった政党です。私たちは雨傘革命を通じて、香港政治の仕組みをよく理解しました。香港政府がデモに対してどのように反応するのかも、学ぶことができました。雨傘革命は決して無駄ではありませんでした。

今回のデモでは、「民主的な選挙の実現」まで政府に要求しています。実現するまで、この活動は終わりません。

国際的な支援が香港デモ成功のカギ

──「デモシスト」の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんや周庭(アグネス・チョウ)さんは、逮捕され、保釈後も、海外に香港の状況を訴える活動を続けています。

チェン氏: 彼らが逮捕された時、私はメディアからの取材に対し、「今回のデモは特定のリーダーがいるわけではなく、香港市民が自発的に行っているものであり、彼らを逮捕するのは間違いだ」と主張しました。

ジョシュア・ウォンやアグネス・チョウの役割は、香港の活動に国際的な支援を集めることです。今、ジョシュア・ウォンはアメリカの議会で、「香港人権・民主主義法案(Hong Kong Human Rights and Democracy Act)」の通過を求める活動を行っています。この法案は、香港政府の力を制限するためのものです。

トランプ米大統領の香港を支援する姿勢は歓迎すべきですが、私たちは米政府にさらなる行動を期待しています。例えば、中国と貿易交渉する際の条件に、香港問題を入れてもらうこと。これは香港にとって、非常に大きな助けになります。

──日本人へのメッセージをいただけますか?

チェン氏: 民主主義国家である日本からの支援には、特に期待しています。香港にはたくさんの日系企業が進出しており、経済的な関係は強いです。ただ、日本政府の香港デモへの支援は十分ではありません。

日本の皆さんは、日本政府を促して、中国政府に「香港との約束を守る」ように伝えることを求めていただきたいです。香港がイギリスから中国に返還される時、中国は、「50年間は資本主義を採用し、社会主義の中国と異なる制度を維持する」と約束しましたが、この約束は守られていません。

中国、そして世界の民主主義のために

── 「約束の50年」が過ぎた後、香港はどうなることを望んでいますか?

チェン氏: 「香港人が香港の未来を決めること」──これが香港人の願いです。

私たちは香港人のためだけでなく、中国の民主化、そして世界中の国々の民主主義を守るために戦っています。どんな独裁政権もいずれは崩壊して消え去る運命にあると思います。多くの人々が求める体制ではないからです。

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