2019年9月号記事
Expert Interview
インドビジネス第一人者が語る
インド進出の心得
前月号のインド記事に登場した元インド住友商事社長に、インド進出の「心得」を聞いた。
(聞き手 片岡眞有子)
中島 敬二
プロフィール
(なかじま・けいじ) 1944年、山梨県生まれ。慶應大学を卒業後、住友商事に入社。自動車第五部長、インド住友商事社長、理事広報部長などを歴任する。2006年にインドに移住し、住友商事のインド関連会社を経営。その後独立し、インドでコンサルタント会社やホテル、日本食レストランなどを創業する。著書に『インドビジネス40年戦記』など。
──インドに進出する日本企業は、今後ますます増えると予想されます。インドで「日本式」の経営は通用するのでしょうか。
中島氏(以下、中): 「日本式経営」というと、終身雇用や年功序列に限らず、自己責任と共同責任の原則、チームプレイや時間厳守、上下双方向の意思疎通・決定などがあるでしょう。
これらは、世界の国々でも実施されている有効な手法であり、経営に国境はありません。一方で、こうした日本流の経営がインドでうまくいかず、悩んでいる日本企業も数多くあります。