ユーチューブや月刊誌、週刊誌などで幸福の科学を誹謗中傷している大川宏洋氏が6月下旬、教団から懲戒免職処分を受け、名誉を毀損しているとして東京地裁に提訴された。
この問題については、本欄で何度も報じてきた。
ただ、宏洋氏の嘘は多岐にわたり、時系列も行ったり来たりしがちになる。そこで問題をすっきりさせるために、【宏洋氏の嘘を検証する】と題して、問題を整理していきたい。今回は、その1回目。
宏洋氏は「自分が千眼氏をふってやった」という話にしたかった
宏洋氏がこだわって訴え続けているのは、「結婚強制」「神託結婚」という嘘だ。
これは、父である大川隆法・幸福の科学総裁から、信者で女優の清水富美加さん(出家後、法名・千眼美子)と強制的に結婚させられそうになった、というもの。断ると総裁が怒り狂ったため、嫌気が差して自分から教団を飛び出した、というストーリーになっている。
宗教に偏見を持つ人なら、「ありそうな話だ」と信じてしまうかもしれない。だが事実は、真逆である。
そもそも宏洋氏は自ら千眼氏に近づき、周囲に「結婚したい」と語り、総裁が結婚を強要したという話に自分からすり替えていった。
2017年11月18日、映画「さらば青春、されど青春。」撮影後の報告を受けるため、製作総指揮をした総裁が、主演の宏洋氏とヒロイン役の千眼氏、幹部数人と会食を開いた(表1)。
この会食の場で突然、宏洋氏が、「千眼さんとの結婚の話は出さなくていいんですか?」と言い出したため、総裁は何のことか分からないという様子で「そういう話はありません」と言うと、千眼氏が「ああ、よかった」と安心したように笑顔を見せた。
恥をかかされたと思ったのか、感情を抑えきれなくなった宏洋氏は、その場で奇妙な行動に出る。
実は当時、宏洋氏は、教団が運営する芸能事務所「ニュースター・プロダクション(NSP)」の社長を務めていたが、そこに所属する女性タレントと交際中だった。
この交際自体が非常識なものだが、その後、宏洋氏は、この女性タレントとの結婚を許してほしいと総裁に願い出た。しかし、総裁から公私混同をたしなめられたため、怒り狂った宏洋氏は直後にスタッフに連絡を入れ、「幸福の科学を辞める」と口走った。これが本当に起きた事実である。
秘書を務めた男性によると、宏洋氏は、外面はいいが教団の職員を見下す傾向があり、教団の近しい人々の間でも、プライドが高いことで知られているという。
大川総裁が今年2月に開いた問題の説明の場でも言及しているように、宏洋氏は「自分が千眼氏をふってやった」という話にしておかなければ、プライドが許さないのだろう(2019年2月22日付本欄 「清水富美加との結婚強制」はまったくの嘘 大川総裁が宏洋氏と週刊文春の間違いを指摘 参照)。
千眼氏は、心身ともに限界で、ドクターストップがかかった。
また宏洋氏は、「自分と結婚させるために、総裁は千眼氏に前の芸能事務所を辞めさせた」という主張も繰り返している。だが、前出の「結婚強制」と同じく、これも嘘である。
時間は少しさかのぼるが、千眼氏(出家前の清水富美加氏)は中学生だった2007年にスカウトされたが、その芸能事務所では、思想信条に合わない仕事をやらされ、自殺未遂を繰り返すほど、苦しい環境が長く続いていた。
2016年7月、つらい仕事が重なった清水氏は心身ともに衰弱。知人に相談し、教団の施設で祈願を受けたが、なぜか宏洋氏も参列した(表2)。その後、宏洋氏は友人を介して飲み会に誘うなど清水氏に接触を図ったが、断られている。
翌17年1月17日、幸福の科学で清水氏の守護霊霊言が行われると(表3)、宏洋氏は5日後、清水氏とその父親を教団施設に呼び出し、霊言の映像を見せた(表4)。すると清水氏が、今の仕事を辞めてもいいともらしたため、自分の手にあまると考えた宏洋氏はその足で、清水氏を総裁に会わせた(表5)。
「死にたい」とまで考えていた清水氏を救うため、数日後、総裁は清水氏の出家を許し、「千眼美子」という法名を与えた(表6)。清水氏はその後も仕事を続けたが、精神的にも肉体的にも限界を迎え、ドクターストップがかかり、同年2月、ついに仕事を継続できなくなった(表7)。
これが、千眼氏が出家に至った経緯だ。
宏洋氏は「結婚強制」とセットで、「自分と結婚させるために、総裁は千眼氏に事務所を辞めさせた」と主張するが、以上の経緯のように、彼の主張が嘘であることは明らかだ。
千眼氏をめぐる主な宏洋氏の動き
2016年 | 1月 | 宏洋氏が幸福の科学副理事長 兼 NSP社長に就任 |
---|---|---|
7月 | 清水氏が祈願を受ける。宏洋氏参列 (2) | |
2017年 | 1月17日 | 清水氏の守護霊霊言が行われる (3) |
1月22日 | 宏洋氏が清水氏に霊言映像を見せる (4) 大川総裁が清水氏と父親と面談 (5) | |
1月24日 | 清水氏の出家が決定。法名・千眼美子授与 (6) | |
2月6日 | 清水氏はこの日まで旧事務所の仕事 | |
2月7日 | 清水氏にドクターストップがかかる (7) | |
2月12日 | スポーツ紙で清水氏(千眼氏)の出家が報じられる | |
11月18日 | 大川総裁が、宏洋氏や千眼氏、映画関係者と会食 (1) | |
11月23日 | 宏洋氏、NSP(株)社長解任 | |
2018年 | 9月7日 | 宏洋氏、幸福の科学を休職することに同意 |
9月12日 | 宏洋氏、休職の説明を人事担当と弁護士から受ける |
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2019年6月27日付本欄 嘘をつくことは「言論の自由」ではない 【宏洋氏・保守雑誌「WiLL」の嘘(3)】
https://the-liberty.com/article/15955/
2019年6月26日付本欄 「なりきる」ことを霊言と称する宗教的教養の足りなさ 【宏洋氏・保守雑誌「WiLL」の嘘(2)】
https://the-liberty.com/article/15948/
2019年6月26日付本欄 宏洋氏が主張する「神託結婚」はまったくの嘘 【宏洋氏・保守雑誌「WiLL」の嘘(1)】