日本銀行の黒田東彦総裁。写真:ロイター/アフロ。
2019年7月号記事
ニュースのミカタ 3
政治
拡大する「一帯一路」
「新・黒田バズーカ」で対抗する日本
米中の貿易戦争が激化する中、日本は国際機関と連携して、中国に「金融戦争」を仕掛けています。アジアやアフリカの発展を金融面で支援し、中国の覇権主義に対抗し始めたのです―。
中国は現在、「一帯一路」によって、世界に支配力を拡大しています。一帯一路とは、中国の習近平国家主席が提唱したアジア・欧州・アフリカを結ぶ巨大経済圏構想。港湾や鉄道・道路などのインフラ整備を世界各地で進めています。
しかし、問題が噴出しています。一帯一路の参加国はインフラを整備できる一方で、中国から多額の借金を背負うケースが出始めています。なかには、返済が困難になり、港湾施設などが中国に奪われるケースも。これに対し、「債務のワナ」「新植民地主義」などの批判が巻き起こっています。