2019年6月号記事
幸福実現党 党首
釈量子の志士奮迅
第80回
幸福実現党党首
釈量子
(しゃく・りょうこ)1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、(宗)幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から幸福実現党党首。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
宮古島弾薬庫問題
「だまし討ち」とはあんまりでは!?
防衛大臣の弱腰ぶりに、驚きを禁じ得ません。
幸福実現党は2010年以降、南西諸島の防衛強化を訴えてきました。そんな中、やっとのことで沖縄県の宮古島に新設される、陸上自衛隊駐屯地。その弾薬庫に、「中距離多目的ミサイル」と「追撃砲」が配備されることが明らかになりました。
しかし、駐屯地設置に先立つ住民説明会では、「小銃弾や発煙筒などを保管する」と説明されていました。そのため、地元紙の報道で装備内容を知った建設反対派などからは、「聞いていなかった」と批判が噴出。批判を避けたい岩屋毅防衛相は、ミサイル・追撃砲を島外に持ち出して保管する方針を決めたのです。
一連の問題について基地反対派や地元メディアは、大々的な批判を展開。そんな中、耳を疑った言葉があります。
「だまし討ち」
思わず、「ちょっと待ってくれ」と叫びたくなってしまいました。
宮古島をはじめとする南西諸島周辺では、年に何度も中国の軍艦が通過しています。昨年4月は、宮古海峡を中国海軍の空母「遼寧」が通り、今年の3月30日と4月1日には、宮古島と沖縄本島の空域を中国の爆撃機が往復したことも確認されています。
こうした脅威が迫る中、宮古島や南西諸島の日本人の命を守ろうという自衛隊に対して、「だまし討ち」という言い方は、あんまりではないでしょうか。
むしろ宮古島の駐屯地は、中国軍の上陸作戦などの奇襲、つまり正真正銘の「だまし討ち」を防ぐために建設されたものです。
むしろ「安心」する住民
「だまし討ち」という言葉は、「地元住民の主な声」であるかのように紹介されていました。果たしてそうでしょうか。
国防の最前線である宮古島には、私も何度か足を運んでいます。新設された駐屯地の近くの農家の方に電話で話を聞くと、こんな意見が寄せられました。
「自分の周りで、自衛隊の住民説明会に不満を持っている人はいない。むしろ『守ってくれる』という安心感がある。さらに、自衛隊が来てくれるおかげで、街が賑わっている。レンタカーも足りなくなっており、ホテルも予約でいっぱい。アパートの家賃も高くなっている。防衛のみならず生活まで安心だ」
また、これは意外と知られていないようなのですが、同島に自衛隊が来るのは初めてではありません。すでに航空自衛隊のレーダーサイトがあり、西の守りの要として昼夜、監視の任に当たっています。ほとんどの住民は自衛隊に対して安心感と感謝の気持ちを持っているのです。
3月末、宮古島と橋でつながっている下地島に新たな空港がオープンし、地元は喜びの声を上げています。しかし、もし中国海軍への恐怖が増せば、観光客の足も遠のいてしまいます。
陸上自衛隊駐屯地が設置された宮古島。写真提供:ピクスタ。
自衛隊を丸裸に!?
「だまし討ち」という反対の声を挙げる一部野党などは、中国共産党のスポークスマンと化しています。
また、「反対のための反対」をしている一部の声に過剰に反応し、自衛隊の方々を丸裸にする判断をした防衛相もまた、無責任と言わざるを得ません。
こうした前例をつくれば、「自衛隊の基地や駐屯地に、どんな武器を置くかを、逐一公開しなければいけない」という流れができます。それは住民のみならず、中国共産党に「防衛秘密」という手の内を明かすことになってしまいます。実際、防衛相が「ミサイル・追撃砲の撤去」を決めた後も、宮古海峡をフリーゲート艦や爆撃機が通過しています。
仮に、今回のように装備内容が明らかになって批判されたとしても、住民に「なぜそれが必要なのか」を説得するのが、政府の仕事ではないでしょうか。
10周年を迎えた幸福実現党
幸福実現党は5月で、立党10周年を迎えます。
その間、自民党も民主党(現・立憲民主党など)も、マスコミ受け・選挙受けのために主張を変えたり、引っ込めることを、何度もしてきました。「第三極」ともてはやされた政党の多くも、信念・哲学に基づいた結党ではなく、政局争いの産物だったため、離合集散を繰り返してきました。
私たちは10年間、一貫した信念と政策で戦い続けた、数少ない政党であると自負しております。今の日本に必要なのは、「政治屋」ではなく、真に国民の幸福を考える「政治家」です。私たちはこれからも、初心を忘れずに戦い続けて参ります。