2019年5月号記事

Movie

「ピア~まちをつなぐもの~」

「最期の願い」を支える地域医療の奮闘

【公開日】
2019年4月26日よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー
【配給等】
配給:ユナイテッドエンタテインメント
【スタッフ】
監督:綾部真弥
【キャスト】
出演:細田善彦、松本若菜、川床明日香、竹井亮介、三津谷亮、金子なな子ほか

【レビュー】

大学病院のエリート若手医師だった高橋雅人は、父親が病気で倒れたため、故郷に帰り小さな町の医院を継ぐことになった。

父親のたっての願いで、訪問診療も引き継ぐが、大学で最先端医療の研究を志していた雅人には、独居老人や寝たきりの患者などへの医療には関心が持てない。患者の前で心ない発言や態度を取り、ケアマネジャーや介護福祉士に指摘されても、プライドの高さから素直に反省できずにいた。地域医療の中で孤立する雅人だが、ある患者家族との出会いで、考え方が少しずつ変化していき……。

在宅医療と介護という、現代社会の問題を的確に捉えた本作。雅人とケアマネジャーの夏海がぶつかり合いながらも成長していく姿を中心に、介護福祉士や訪問看護師、薬剤師、歯科医師、歯科衛生士、管理栄養士、リハビリ専門職など、地域のさまざまな職種に携わる人がチームとして連携。患者が「最期まで自分らしく、穏やかに、幸せに」生きるための医療と介護、看取りを目指す姿を描く。

タイトルの「ピア」は、英語で「仲間」という意味。医療や介護をする側、される側とその家族が同じ志のもと、協力し合いながら歩む姿が清々しい。

ザ・リバティWeb シネマレビュー

「ピア~まちをつなぐもの~」

(星4つ。満点は★5つ)