マイアミ市にあるペレス・アート・ミュージアム。写真:robertharding/アフロ

2019年4月号記事

国造りプロジェクト Vol.05

人口減少ニッポン

「稼ぐまち」が人口を増やす


contents


アメリカ・フロリダ州のPPP先進地区

放置された公有地から、仕事をつくる

日本には、活用されないまま塩漬けになった公有地が山のようにある。

これに対しアメリカでは、民間の力を借りて、仕事や富を生み出していた。

日本には、約2600兆円に相当する不動産があり、そのうち政府や自治体が所有する公的不動産は、約600兆円に上る。

しかし、地方にも点在する公有地が十分に活用されているとは言えない。森友学園問題の原因となった土地やカジノの誘致予定地、中国に買収されるような土地は、公有地がらみだ。

役所としては「公有地が塩漬けになるより、カジノでも中国人でも、買い手がつけばいい」というのが率直な気持ちだろう。

確かに、せっかく土地があっても、一円も生まないのはもったいない。アメリカの地方都市では、活用されない公有地への民間投資を促すため、公民連携(PPP)を行うことが常識になっている。 アメリカで広がるPPPは、公共事業に民間の投資や知恵を入れ、効率的な自治体経営を目指すもの。 従来の日本の公共事業は、税金で民間に委託して施設を建設し、運営する第三セクターが赤字になれば、補助金で補てんする問題がある。

そこで、人口減少の対策のヒントを得るため、PPPで公有地を活用し、魅力的な町づくりに成功するフロリダ州に向かった。

次ページからのポイント

スラム化を防ぐための住宅

PPPは官民の結婚のようなもの