2019年4月号記事
Interview
地域を発展させる「秘策」
青森
全国で活動する幸福実現党の代表者に、地域発展の提言・取り組みについて聞いた。
本州最北端、「北のまほろば」は甦る!
幸福実現党 青森県本部
統括支部長
三国 佑貴
(みくに ゆうき) 1985年、青森県弘前市生まれ。日本大学商学部経営学科を卒業後、幸福の科学に奉職。支部長などを経て、HS政経塾第7期生。塾では、主に農協改革について研究した。
この国を発展させる人材となりたい―。そう思い、2016年にHS政経塾(*)の門を叩きました。
政治への関心が強まったきっかけは、中小企業経営者の苦しみの声です。
大学卒業後、幸福の科学に奉職し、支部長などを務めさせていただきました。支部には、さまざまな悩みを抱えた方がいらっしゃいます。時には、経営に行き詰まった経営者が、胸の内を吐露されることもありました。
法人税や消費税、相続税など、増え続ける税が経営を圧迫しています。働いても働いても経営状況が改善せず、破たん寸前に追い込まれる経営者の姿に、そもそもの政治のあり方を変える必要があると痛感しました。
人々の心を救う宗教家と、国のかじ取りをする政治家が「両輪」となってこそ、日本は精神的にも物質的にも豊かになっていく―。そう思ったのです。
(*)幸福の科学・大川隆法総裁が創立した「政界・財界で活躍するエリート養成のための社会人教育機関」。
農業を「稼げる」職業に
各地で街宣活動を行い、政策を訴えている。
私が生まれ育った青森は、全国有数の農業県です。リンゴが有名ですが、ニンニクやゴボウも日本一の生産量を誇ります。
農業に加え、漁業も盛んです。八戸で獲れる「八戸前沖さば」は大トロのように絶品で、陸奥湾は北海道に並ぶ全国有数のホタテ貝養殖地。作家の司馬遼太郎が「北のまほろば」と讃えた通り、新鮮な海の幸、山の幸に恵まれた豊かな土地です。
そんな「まほろば」の地が、危機に瀕しています。高齢化や過疎化が進み、財政赤字の市町村も多くあります。
深刻なのが、農家の後継者問題です。農地はあるものの、採算が取れないため子供が継げず、そのまま耕作放棄地となってしまう農家が増えています。青森でお宅を訪問していると、「足腰が弱って、もう畑仕事はできない。かといって継いでくれる人もおらず、どうしようもない」という、切実な悩みを耳にします。
農業を「稼げる」職業にしなければ、日本の食は衰退してしまいます。
まず求められるのは、農業未経験者が新規参入しやすい制度づくりです。農業は初期投資が高く、個人で始めるにはリスクがあります。規制を緩和し、企業参入を促す。これによって、就農希望者の受け皿を増やせます。
例えば、長野にある農業生産法人は、「地域の発展を担う農業経営者を輩出する」という理念の下、就農希望者を受け入れ、多数の農業経営者を輩出しています。独立者の初年度売上平均は1500万円を超え、稼げる農家の育成場となっています。
JA本来の志に立ち返る
HS政経塾では、体力づくりのため、マラソンや登山にも取り組む。
稼げる農業に変わるには、農業協同組合(JA)にも変革が求められます。今年は、全国農業共同組合中央会(全中)が一般社団法人化しますが、全国農業協同組合連合会(全農)の株式会社化も推し進めるべきです。
もともとJAは、農家を守り育てることを目指して設立されたものです。しかし、時代の変化によって、逆に農家の成長を妨げる要因になっています。これは、JA関係者にとっても望ましくないことでしょう。
「協同組合」という特殊な形態で農家市場を独占している状態から脱し、適正な競争原理の下で「農家に選ばれるJA」を目指すべきです。
こうした規制緩和や農協改革によって、個人や企業が自由に農業を始められるようになれば、農業は成長産業になり、新たな雇用創出につながります。
「起業家精神」が青森を変える
平成30年7月豪雨を受け、街頭で支援募金を募り、被災地へ届けた。
いま青森に求められているのは、国から予算を引き出す能力ではなく、創意工夫で地域を発展させる「起業家精神」です。
弘前市に観光客を集めた、「冬に咲くさくらライトアップ」は、はじめから予算があったわけではなく、市民によるクラウドファンディングによって実現しています。大切なのは、地域を盛り上げたいという情熱です。
愛する青森を豊かな土地として次世代に伝えていくために、私も未熟ではありますが、尽力したいと思います。
Interview
現職議員に聞く
青森
幸福実現党はこれまでに公認地方議員を22人輩出した。
青森県大鰐町で活動している竹内町議にこれからのビジョンを聞いた。
人づくりと町民の知恵で大鰐を元気100倍に
青森県大鰐町議
竹内 富士子
(たけうち ふじこ) 1955年、青森県大鰐町虹貝生まれ。弘前大学教育学部を卒業後、40年にわたって小学校教諭として勤務。そのうちの8年を、大鰐町立唐牛小学校に勤める。「元気100倍! 大鰐町をつくる会」代表。
生まれ育った大鰐町に恩返ししたいと思い、昨年末の町議選に立候補。皆様のご支援により、当選することができました。
拝命から数カ月の新米ではありますが、大鰐を住みよい町にしたいと思い、町民お一人お一人の声を聞いて回っています。
公共下水道をはじめとするインフラ整備や冬季の除雪作業、猿被害の対策など、さまざまな要請をいただいています。一つひとつ丁寧に取り組み、お困りごとを改善してまいります。
民間の知恵が町を盛り上げる
大鰐は、北海道の夕張市に次いで破たん寸前になったことがある町です。行政経営のあり方を見直すとともに、観光客や移住者を呼び込むPRや魅力づくりが必要です。
魅力づくりに欠かせないのが、町民の知恵です。民間が商売として町おこしに乗り出すことで、創意工夫が行われ、付加価値の高い商品やサービスを生み出すことができます。すでに全国では、民間主導で成功した事例が数多く出ています。
大鰐にも、「もっと町を盛り上げたい」と思っている方は数多くいらっしゃいます。地域おこし協力隊の若者や、「大鰐に野菜工場を造りたい」という女性にも出会いました。
民間が知恵を絞って挑戦し、その結果として成功を得る。こうした「起業家精神」が、大鰐を発展させます。
大鰐から人材を輩出する
後援会長とともに町内を訪問して困りごとを聞く様子。
教育による「人づくり」も重要です。
人口1万人足らずの大鰐から、クロスカントリースキーでトリノ冬季オリンピックに出場した福田修子さんが誕生しています。田舎であっても、教師が熱意を持って教育にあたれば必ず人材は育ちます。40年の教員経験を生かして、子供たちの郷土愛を育み、しっかり善悪を教える教育を推し進めます。また、いじめ防止や不登校児の心のケア、障害児支援にも力を入れ、子供たちの未来を守ります。
大鰐は、先の大戦後に移り住んできた父を温かくお迎えくださった地です。そのご恩を、必ずお返しさせていただきます。
Interview
地域を発展させる「秘策」
島根
島根県で活動する幸福実現党の代表者に、地域発展の提言・取り組みについて聞いた。
交通の便が悪い松江市に
お年寄りの足をつくる
幸福実現党
松江地区代表
村松 利恵
(まつむら りえ) 1968年、松江市八雲町生まれ。現在、八雲台に在住。県立松江商業高校卒業後、設備設計事務所などで勤務。「いじめから子供を守ろうネットワーク」の相談員として、松江市内の学校にいじめ防止のポスターを掲示する活動などを行う。
8年前、友人の高校生のお子さんがいじめに遭い、担任の先生に相談しても誠実に対応してもらえず、転校することに。そのとき、「私にも何かできることがあったのでは」という後悔の念から、「いじめから子供を守ろうネットワーク」の活動に関わるようになりました。ですが力不足を感じることも多く、地方議員になっていじめ問題そのものをなくす取り組みができればと思うようになりました。
LINEのいじめ相談窓口を
島根県では、いじめと不登校の生徒数が過去5年間で最悪になっています。
不登校児支援のNPOで出会う子供たちの話を聞くと、「何とかしてあげたい」という気持ちがふつふつと湧いてきます。その一助になればと思い、「LINEによるいじめ相談窓口の開設を求める陳情」を提出しています。
長野県が2週間限定のLINEアカウントをつくり、相談を受けつけたところ、1500件余の相談があり、1年間の電話相談件数259件を軽く上回る状況でした。
島根県にも電話の相談窓口はありますが、いじめ件数は増えているにもかかわらず、相談件数は5年前に比べ、約半分に減少しています。こうしたことからLINEの相談窓口は必要であると確信しています。
お年寄りの足をつくる
私は、松江市の公共交通を考える「松江市公共交通利用促進市民会議」の委員に選ばれ、年に数回会議に出席しています。
田舎に住んでいる年配の方からよく聞くのは、「病院や買い物に行くにもバスの便数が非常に少なく、停留所まで遠い」という切実な声です。実際、私の実家のある八雲町から中心市街地まで鉄道は通っておらず、タクシーでは往復8000円近くかかります。コミュニティバスの充実や乗合タクシーの導入などを検討し、地域の足をつくりたいと考えています。
松江市には国宝松江城があり、古きよき日本の街並みが残っています。不昧公の愛した茶の湯文化、抹茶や和菓子も有名です。宍道湖の夕日やしじみなど、地元の魅力を発信し、多くの方に観光に来ていただき、改めて日本のよさを再認識してもらえたらと願っています。
松江市に新たな雇用と産業をつくるために、地元の起業家を支援するなど、松江市の発展のために精一杯頑張ります。