HSU・千葉長生キャンパス。

4年前に開学した千葉県・長生村にあるハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)は、4年生の就職内定率96%を達成した(11月中旬時点)。

HSUは、幸福の科学が運営する高等宗教研究機関で、文部科学省が認可した大学ではない。学位(学士)の授与がないことを考えると、この内定率の高さは"異常"と言えるだろう。しかも、内定者の98%以上が大卒扱いとなっている。

母体である幸福の科学だけではない。ホテルや建設、コンサルティング、IT、アパレル、美容、飲食、アウトソーシングなどの業界も多岐にわたる。

千葉県で最大規模のホテルから内定を得たYさんは、「宗教系の学校出身であることについては、むしろ反応がよく、宗教の偏見も感じられませんでした。それより人格を見てくれていると感じました」と語る(2018年6月1日発行HSU会報)。

他にも、大卒程度を対象とした国家公務員採用の一般職試験には、2人が合格。そのうちの1人である未来産業学部の理系学生は、官公庁からも内定を得た。

一般企業や行政機関から内定が出たということは、教育機関として、HSUに一定の信頼があることを意味している。

一般企業から内定を得た学生たちの声

実際のところ、就活の状況はどうだったのか。一般企業から内定を得た学生の声は次の通りだ。

「僕は未来産業学部だったので、学会発表の経験を自己PRしました。頑張ってきたことが報われたと思います。内定をいただいた企業からは、『HSUに一期生として入ったのはすごい勇気だね。前回は大学の設置が不認可だったけど、これから認可されると思うから』と前向きな言葉をかけていただきました。『既存の常識を壊していくのが僕らの使命だ』と思い、就活に取り組みました」(IT系外資企業から内定を得た男子学生・Yさん)

「内定した企業には、大卒扱いでの採用かどうか聞かなかったのですが、内定後にいただいた書類を見たら大卒として採用されていました。就活は人間性を問われるよい機会です。取得すべき単位数も多いHSU生は、『こういうことを学んできました』と胸を張って言える立場にいると思うので、気負わないでほしいです」(会計コンサルから内定を得た女子学生・Oさん)

「就活は、始めも終わりもすべて自分で決めなくてはならず、ある意味で自己責任の世界です。『なぜHSUに来たのか』という理由だけは、明確に説得できるようにした方がよいと思います。私もHSUで学んだ者として、何を伝えられるか、PRできるかをずっと考えていました」(美容系メーカーから内定を得た女子学生・Tさん)

「集団面接では、『こういうことを学びたくて、HSUに入学しました』『この授業が一番楽しいです』と自信を持って答えました。私が就活を頑張れたのは、後輩たちのためでもありました。いろんな会社に『HSUにはこういう人材がいる』と伝えることで、後輩たちに道を開きたかったのです。HSUでは普遍の真理を学んでいるので、プレゼンでも"言霊がのる"ような感じがして、『信仰者の就活だな』と思いました」(アパレルメーカーから内定を得た女子学生・Oさん)

就職支援も充実している

HSUではキャリア支援室を中心に、1年次からきめ細かい就職対策を行っている。

1年次では、研修を通してどのような人生を送りたいのかを深く考えたり、マナー講座・営業力講座などでスキルを磨いたり、企業の社長や幹部による講話を聞いたりする機会がある。

2年次以降は、個別対応に重心を移す。希望する学生には丁寧に面談を重ね、本人の強みに合った企業を探していく。学生が希望する企業が決まれば、その業界についての知識を提供し、面談の練習やエントリーシートの添削、企業別の筆記試験対策などを一人ひとりに行う。

インターンシップや企業説明会、資格取得などへの支援も手厚く行っている。今年は3大国家資格の1つである公認会計士試験に1人が合格。しかもこの学生は3年生であり、一発合格だという。その他、日商簿記検定2級に4人が合格し、宅地建物取引士資格に2人が合格するなどの成果を挙げた。

HSUキャリア支援室の荒井亮氏は、編集部の取材に対し、「就職人気ランキング上位の企業への就職はまだハードルが高いですが、きちんと内定が出る業種は多くあります」と語る。

「例えばベンチャーやIT系企業などの就職活動では、学歴を問われない業種も多くあります。また、採用面接が進むにつれて、HSUや幸福の科学について聞かれることもよくあります。そこで学生側がうろたえてしまうとうまくいきませんが、『よくぞ聞いてくれた』というような自信のある学生は、内定をもらってきます。中には、幸福の科学の基本教義である『四正道』が企業経営に役立つ理由について説得してきた学生もいました。企業も、自分自身に確信と自信を持っている学生であれば、ほしいのです」

HSUでは、「仕事とは信仰者として今世の使命をまっとうするための手段」だと教えている。今後の卒業生たちの活躍が期待される。

(山本泉)

【関連書籍】

HSU出版会 『光り輝く人となるためには』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1880

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