2019年1月号記事

うつ、非行、虐待、自殺……

孤独に寄り添うプロフェッショナル

いつの時代にも、自分を顧みず、人のために尽くす人がいる。

彼らはなぜ、いばらの道に見える人生を歩むのだろうか。

(編集部 山本慧、山本泉、片岡眞有子)


contents


Conclusion

損得抜きに生きる

ここまで、"傷だらけの心"に寄り添う4人の活動を紹介した。思わず人生を振り返りたくなった方もいるのではないだろうか。なぜ人は、そうした生き方に触れると、心を動かされるのか―。

それを考えるヒントが、12月初旬発刊の大川隆法総裁の著書『青銅の法』に記されている。同書では、世のため、人のために尽くす偉人に共通するのが、「自己犠牲の精神」であると指摘している。

人間が勝手気ままに生きれば、動物のような自分中心の人生を送ってしまう。しかし、多くの人々を導いた偉人は、その"自然界の法則"に反した生き方を貫いたことで、「徳」や「崇高さ」といった高い精神に到達することができた。後世の人々は、人間が精神的に進化する瞬間に感動し、「偉人」と呼んでいるのだろう。

こうした視点で見ると、4人の生き方も、損得を離れた「自己犠牲の精神」を持ち、「愛を与える」ことを大切にしていることが分かる。

さらに興味深いのは、尋常ではない苦しみを抱える人々を相手にしているにもかかわらず、4人が幸福感に満ちていたことだ。自分のことはいったん捨てて、相手に向き合うことで、逆説的に幸福をつかめるのだろう。

次ページからのポイント

誰もが神仏に愛されている