東方経済フォーラムでスピーチするプーチン露大統領。

「今、この案を思いついた。年末までに平和条約を結ぼう」――。

ロシアのプーチン大統領は今月12日、同国のウラジオストクで行われていた「東方経済フォーラム」の全体会合で、安倍晋三首相に対し、そう語った。北方領土問題を棚上げにして、年内に日露平和条約を結ぼう、という提案だ。

しかし、安倍政権はその日のうちに、「政府としては北方四島の帰属問題を解決して平和条約を締結する基本方針に変わりはない」(菅義偉官房長官)という見解を発表。突然のプーチン氏の"ラブコール"に戸惑い、受け止めることができなかった。

そんな中、数年にわたって、「中国の覇権拡大を止めるためにも日本は、ロシアを中国寄りにさせることなく、日露の関係強化を急ぐべき」と主張してきた、幸福実現党(釈量子党首)が24日、「日露平和条約の早期締結を求める」と題した党声明を発表した。

以下は、声明の全文。

日露平和条約の早期締結を求める(党声明)

平成30年9月24日

幸福実現党

今月12日、日露平和条約を巡って、ロシアのプーチン大統領が安倍晋三首相に、無条件での年内締結を提案しました。北方四島の帰属問題の解決が前提というのが日本政府の立場ですが、わが党は最近の中国の覇権的外交姿勢に鑑み、年内の日露平和条約の締結を強く求めるものです。

もとより、北方四島はわが国固有の領土であり、領土交渉の進展を図るべきは言うまでもありません。しかしながら、一帯一路構想など、中国が新たな国際秩序形成を進めるなか、日本として米国との絆を強固にするとともに、安保・経済両面で、ロシアをはじめ関係国との連携を強めることで、中国の野心を挫くべきだというのが、わが党の考えです。

地域の安全保障上、最大の不安定要因である中国を牽制するには、日露関係の強化が不可欠です。そのため、領土問題をいったん棚上げしてでも、まずは平和条約を締結し、その後、領土返還を目指すべきだと考えます。対ロシア制裁はロシアの中国傾斜を促すだけであり、一層の中露接近を招けば、日本を危機に陥れる事態を引き起こしかねないことにも注意を払うべきです。

また、対外膨張を強める中国は台湾の併合を目論んでいるとみられますが、中国による台湾併合は台湾に自由の危機をもたらすばかりか、日本の安全保障にも直結します。そこで、日台関係を強化するとともに、日本として台湾防衛に関与するよう求めます。

加えて、日本の外交・安全保障上の課題としては、北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題がありますが、わが国および地域の安全の確保のため、北朝鮮の非核化に最優先で取り組むべきです。懸案の拉致問題に関しては、米国と連携しつつ、北朝鮮の「開国」を進める過程で、その全面解決を図るべきと考えるものです。

中国が軍事的覇権を強めるなかにあって、国家国民を守り抜くべく、わが党は一貫して国防強化の必要性を訴えてきました。日米同盟を強化しつつ、「自分の国は自分で守る」体制構築を急ぐべきというのが、わが党の安全保障政策の基本方針であり、政府及び国会に対しては、憲法9条改正をはじめ、防衛力強化に向け、装備の増強、防衛費の大幅増額などに踏み切るよう要請します。

日本を地域の平和構築に貢献し、自由や民主、信仰といった価値が広く守られる世界実現に寄与する国家とすべく、わが党は力を尽くしてまいる決意です。

以上

【関連記事】

幸福実現党HP 「日露平和条約の早期締結を求める(党声明)」

https://info.hr-party.jp/press-release/2018/7272/

2018年9月14日付本欄 プーチンの「平和条約」提案 "魔の中露同盟"止める最後のチャンス!?

https://the-liberty.com/article/14875/