《本記事のポイント》
- ネット上で話題となった太陽光パネルの被害
- 災害、事故の影にいつもちらつく太陽光パネル
- 太陽光発電は原子力の5倍、犠牲者を生んでいる。
「向かいのマンションから太陽光パネルがベランダに突っ込んだ」
台風21号が通過した直後、こんな言葉と共にツイッターに投稿された写真には、ガラスを突き破る巨大な太陽光パネルが写っていた。鉄柵も曲がっており、よほどの衝撃だったことがうかがえる。
別の投稿写真では、車の上にマンションから剥がれ落ちた太陽光パネルが積み重なって落ちた後の様子が写されている。車の天井はボコボコにへこみ、近くにあった鉄のフェンスもグニャリとつぶれている。
他にも、「実家の車大破ッ! ソーラーパネルがクリーンヒット! 」「マンションに付いてた太陽光パネルが飛んで運悪く車にぶつかって、キズとへこみが…」といった投稿も見られる。
また動画も投稿されており、暴風雨の中、巨大な太陽光パネルがまるで紙のように空を舞っている。その他、道端に落ちた太陽光パネルの写真も、無数に投稿されていた。
太陽光パネルは、家屋の耐久性を左右すると言われるほど重い。そのようなものが各地で"乱舞"して、もし人にでも当たっていたらどうなっていたことか。
さらに、太陽光パネルは壊れても発電を続けるため、触れれば感電するリスクもある。
現に経済産業省も公式ツイッターで「破損箇所等に触れた場合、感電するおそれがあります。太陽電池発電設備を見かけた場合には、むやみに近づかないよう、十分ご注意下さい」と注意を促している。
「空飛ぶ太陽光パネル」は、いつか貴重な人命を奪うことになりかねない。こうした状況にインターネット上では、「なぜマスコミはこれを報道しないんだ」といった声が上がっている。
災害、事故の影にいつもちらつく太陽光パネル
そんな太陽光パネルだが、災害や大事故のたびにその影をちらつかせている。
2015年、関東・東北豪雨において鬼怒川の堤防が決壊した。それも、太陽光発電事業者の掘削が一因だとして、周辺住民らは国に賠償を求めて提訴している。
2017年、アスクル物流倉庫で火災が起き、鎮火に12日間もかかった。鎮火が長引いた一因と言われているのが、屋上に設置された太陽光パネルに放水すると、消防士が感電する恐れがあったことだ。
2018年の西日本豪雨において広範囲が浸水した岡山県倉敷市真備町地区では、太陽光パネルからの出火が5件も確認されている。
平時にも事故が起きたケースは多い。
消費者庁によると、住宅用太陽光発電による発火・発熱・発煙といった事故が、2008年3月から2016年までの間に102件確認されている。太陽電気モジュールから出た火が民家を半焼させ、隣家にも広がったこともあった。
海外では、直接的な死者も確認されている。最近の例を挙げれば、6月に、ドバイで空調修理をしていた作業員が太陽光パネルに触れ、電気ショックで死亡している。
安全なイメージで油断するためか、発電効率が悪く安全対策のためにさほど投資されていないからか、太陽光パネルはかなり危険なモノなのだ。
その危険性を、原子力発電と比べてみたい。
上記の図は、1兆kwhr発電あたりの死者数を比較したもの。2012年のもので、チェルノブイリ事故や福島第一原発事故なども計算に入っている。これを見ても、太陽光パネルは原子力発電の5倍、犠牲者を出していることが分かる(ちなみに、天然ガスによる火力発電は原子力発電の44倍、石油による火力発電は400倍の死亡者数となっている)。
日本政府は7月に新しい「エネルギー基本計画」を閣議決定している。そこでは2030年までに、太陽光発電などの再生可能エネルギーの電源構成比率を22~24%とし、原子力発電の比率を20~22%にする目標を掲げている。果たしてこの方針は安全なのか。
日本においては、太陽光パネルの"安全神話"をこそ、見直す必要がある。
(ザ・リバティWeb企画部)
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