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《本記事のポイント》
- ロシア人と露関係団体の起訴によって、「ロシア疑惑」の潔白が明らかに
- ロシアの選挙介入は、オバマ政権の怠慢によるもの
- 捜査すべきはトランプ陣営ではなく、不当な捜査を続けるFBI
トランプ陣営とロシア政府が共謀したとする「ロシア疑惑」捜査は徒労に終わったようだ。
このほど、ロシア疑惑の捜査を進めるロバート・モラー特別検察官は、ロシア国籍の13人とロシア関連の3団体を起訴したと発表した。
裁判所文書によると、干渉は2014年に始まり、2016年の大統領選でも、ドナルド・トランプ米大統領や、バーニー・サンダース元民主党候補の陣営を応援するなどしたという。また、大統領選後には、トランプ支持派と反対派の両方のデモを支持している。
つまり、ロシアによる大統領選挙への介入はあった。しかし、トランプ陣営とロシア政府の「共謀」を裏付ける事実はなく、加えて、ロシアの目的はトランプ氏の応援ではなく、戦局の撹乱だった。
こうしたことが、今回の起訴によって明らかになったと言える。
オバマ政権が招いた選挙介入
だが、ロシアによる選挙介入の可能性は、以前から指摘されていたことだ。トランプ氏もそれを認識していた。
トランプ氏は2017年1月、大統領選挙に勝利した後、初の記者会見で、ロシア政府が大統領選に干渉した可能性を認めている。その上で、「私が指導者になれば、ロシアは我が国をもっと尊敬するようになる」と述べ、米露の関係改善を掲げた。
それどころかトランプ氏は、大統領選中から、米選挙におけるセキュリティーの脆弱性を指摘し続けてきた。そうしたトランプ氏の主張を一蹴し、真剣に捜査しなかったのは、当時のバラク・オバマ大統領だ。
オバマ氏は2016年10月、トランプ氏の指摘に対して、「本気でアメリカの選挙を操作できると言う人はいないし、選挙操作できた証拠は過去になく、この選挙でもないだろう」と述べている。
民主党オバマ政権の怠慢が、ロシアの選挙介入を招いたとも言える。
無駄に終わったロシア疑惑の捜査
にもかかわらず、民主党はロシアによる選挙介入を、トランプ陣営とロシア政府が共謀したという「ロシア疑惑」に強引に結び付けた。
この主張を受け、連邦捜査局(FBI)は大統領選中からトランプ陣営の捜査を開始。その後捜査はモラー特別検察官に引き継がれ、ロシア疑惑の捜査は2年近く続いている。しかし、その結果判明したことは、分かり切っていた「ロシアの選挙介入」だった……。
トランプ氏が「ロシア疑惑に時間を使い過ぎ」だとFBIを批判しているのは、こういうわけだ。
フロリダ州の高校で生徒ら17人が死亡した銃乱射事件について、FBIは事件の1カ月以上前に容疑者が学校を銃撃する可能性があるという通報を受けていながら、捜査を行っていなかったことが明らかになっている。
ロシア疑惑に時間を使いすぎているという批判を受けるのも当然と言える。
ロシア人やロシア関連の団体に加え、モラー氏は、トランプ陣営と接触したとされるイギリス人弁護士を起訴し、トランプ陣営の元選対本部長らを追起訴するなど、捜査を続行しているが、早々に切り上げるべきだ。
むしろ捜査を受けるべきは、トランプ陣営ではなく、国益に適わない不当な捜査を続けるFBIの方だろう。
(片岡眞有子)
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