《本記事のポイント》
- 北朝鮮は、グアムに向けてミサイルを発射する計画を発表した
- 日本政府は「存立危機事態」として、ミサイル迎撃できると発表
- トランプ大統領は、野放し状態だった北朝鮮に対処しようとしていると認識すべき
北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍司令官は9日、中距離弾道ミサイル「火星12」4発をグアム周辺に発射する計画を検討中だと表明した。
「日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過し、3356.7キロの距離を1065秒間飛行した後、グアム島の周辺30~40キロの海上に落ちるだろう」という詳細な予告だった。
日本は何年も前から「存立危機」
これに対し、小野寺五典防衛相は10日、北朝鮮がミサイルを発射した場合は、「存立危機事態」に認定し、自衛隊のイージス艦がミサイルを迎撃することは可能だと述べた。また、政府は上記3県付近に、地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の配備をする調整に入った。
存立危機事態とは、アメリカなどへの攻撃があり、「日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される、明白な危険がある」場合を指す。日本が直接攻撃を受けなくとも、自衛隊は反撃でき、ミサイルも迎撃できる。
小野寺防衛相が「日本の存立危機」に言及したことは評価できるが、いかんせん遅すぎる。すでに日本は、北朝鮮の核の射程圏内に完全に入っており、日本が存立できなくなるという危機は、何年も前から続いてきた。
日本は、トランプ大統領の北攻撃に協力すべき
北朝鮮に対処しなかったのは、歴代のアメリカ大統領も同じだ。だがトランプ大統領は北朝鮮に対し、「米国をこれ以上威嚇しない方がいい。炎と怒りに見舞われることになる」と厳しい姿勢で対処しようとしている。
米国防総省は、米空軍のB1戦略爆撃機によって、北朝鮮の弾道ミサイル基地などへの先制攻撃の準備を整えた。トランプ大統領の命令があれば、いつでも攻撃できる状態だ。マティス米国防長官も、「体制の終焉や自国民の破壊につながるような行動を検討するのをやめるべきだ」と異例の強硬な声明を発表した。
トランプ政権が北朝鮮に対して武力行使に出た場合、日本にも被害が及ぶ可能性はある。だがもし、グアムや同盟国を守るためにトランプ政権が武力行使しなかった場合、アメリカは超大国から転落し、東アジアで中国や北朝鮮などの力が強まり、日本はこれらの国の言いなりになる可能性が高まってしまう。
日本メディアの中には、トランプ氏が過激な発言で「暴走」しているかのように報じているところもある。だが本来であれば、北朝鮮の問題は、アジアの大国である日本が主導して解決すべき問題のはずだ。野放し状態だった北朝鮮に、トランプ氏がようやく対処していることを認識し、日本としても最大限の協力をしなくてはならない。
そして北朝鮮の背後には、軍事拡張を続ける中国の存在が控えている。できる限り早く憲法9条を改正し、日米同盟を維持しつつも「自分の国は自分で守る」体制を整える必要がある。
(山本泉)
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