2017年9月号記事

「日本一のコメどころ」が危ない!

なぜ中国は新潟を狙うのか

中国に頼らない繁栄プラン

日本一のコメどころとして知られる新潟。

この地に静かに迫る国防の危機とは―。

(編集部 小林真由美)

中国は現在、南シナ海を埋め立てて人工島をつくり、事実上の軍事拠点化を進めている。

日本国内でも、北海道の広大な森林やゴルフ場などに加え、沖縄にある安全保障上、重要な通信施設付近の土地などが中国資本に買収された。あまり知られてはいないが、新潟の土地も中国に「侵略」され始めている。

2010年、新潟市の中心部にある市立小学校跡地の5千坪の市有地を中国政府が買収し、中国総領事館を建てる計画が浮上した。その近くに中華街をつくる提案も市に持ち掛けられた。

不況で空洞化が進み、市が活性化を模索しているエリアだ。

近隣住民が反対して、市議会は土地の売却方針を見直す請願を採択。しかし水面下で計画は進んでいた。結局、中国側は県庁近くにある4500坪の民有地を購入した。

地方にある総領事館の主な業務は、ビザの発行程度であり、中国がこれだけの広大な土地を必要とする理由は分からない。

問題は、中国の土地買収に対し、新潟市が「地域の活性化につながる」と前向きだったことだ。中国が取得した土地に公館が建てられたら、治外法権が適用され、日本の公権力は手が出せなくなる。つまり、新潟に事実上の"中国領土"ができるということだ。

佐渡に3千人の中国人!?

同時期に、佐渡島の土地も買収されている。観光客の減少で経営不振に陥った道の駅「芸能とトキの里」が、中国出身の人物が運営する学校法人新潟国際藝術学院に「1円」で買われたのだ。

中国の大学と留学提携を結び、年間3千人の中国人を受け入れるとする同学院は、佐渡の観光産業を復活させると期待されており、佐渡市長をはじめとする政財界が支持している。

新潟で今何が起きているのか。7月に現地を訪れ、実情を探った。

佐渡の道の駅が中国出身の人物に「1円」で買収され、今は中国人留学生が集まる研修施設となっている。
中国政府が購入した、新潟市中心部の県庁付近の4500坪の民有地。

次ページからのポイント

現地ルポ 日本防衛の最前線 佐渡島に迫る中国・北朝鮮の脅威

日本一のコメで新潟をもっと豊かに

新潟の教育力を地元産業に活かす