2017年6月号記事
小池さん、豊洲の他にないんですか? Part2
今解決したい「都民の敵」
小池百合子・東京都知事の「迷走」で置いてけぼりにされている都政の課題。
東京で活動する幸福実現党の代表たちが、東京の未来ビジョンについて語った。(文中敬称略)
contents
小池さん、豊洲の他にないんですか? Part2 今解決したい「都民の敵」
聞き手
幸福実現党 財務局長
七海 ひろこ
(ななみ・ひろこ)東京都生まれ。慶應義塾大学卒。NTTデータに入社後、幸福の科学に奉職し、国際局長、理事などを歴任して、現職。
幸福実現党 東京都本部代表
(兼) 第10選挙区支部長
吉井 としみつ
(よしい・としみつ)1982年東京都生まれ。慶應義塾大学卒。アメリカン大学インターナショナルサーティフィケイト取得。2児の父。
七海: 町田市で活動する上田さんは、都議会の改革の必要性を唱えています。なぜそう思われたのですか。
信頼に応える都議会に
町田市代表
上田 てつじ
(うえだ・てつじ)1959年大阪府生まれ。夕陽丘高等学校卒。税務署、大蔵省(現・財務省)主計局勤務などを経て、現職。常勤監査役や経営管理業務などにも従事。
上田: 一番の理由は、政治家が国民から尊敬されていないことです。私は国の機関に勤めていましたが、行政の使命は地域の方々に効率的で効果的なサービスを提供することです。
滞りなく行政を執行する責務があるにもかかわらず、小池知事は、議会や前任者がやっていたことを次々にひっくり返しているだけ。都民を無視するナンセンスなやり方です。
都議会の党派対立がクローズアップされている状態は、国会で揚げ足とりに懸命な野党の姿と二重写しです。豊洲問題は、127人いる都議が十分な審議をしなかったことが原因。都民の信頼に応えるべきです。
近年、政治家が領収書を偽造して、不正に歳費を支出する問題も相次いでいます。税金から報酬をいただいているのですから、当然、民間レベル以上の透明性を確保できるようにします。
また、行政は、民間でできることはどんどん民間に任せて、予算を増大させないことも大事です。都議会は、常に無駄遣いはないか、本当に必要なところに予算を割いているかなど、厳しくチェックすべきです。
豊洲移転で賑わいを
江東区代表
表 なつこ
(おもて・なつこ)1983年広島県生まれ。広島修道大学卒業後、学習教材の販売会社などを経て、現職。社会人教育機関「HS政経塾」第5期生。
吉井: その意味では、豊洲市場の移転延期で、税金が垂れ流しにされていることも問題ですね。幸福実現党東京都本部は、都議会に早期の移転を求める陳情書を提出し、現在、署名活動を行っています。
表: 私は、3年前に地方から上京し、豊洲市場のある江東区で活動しています。率直に感じるのは、「東京が栄えているから、地方の経済も回っている」ということです。
東京には「日本のお手本の街」になってほしいですが、どうも小池知事のやり方からは、東京が発展するイメージがわいてきません。むしろ、どんどん貧しくなる予感がします。
江東区は市場を受け入れることで、地域の賑わいをつくり、道路・地下鉄整備などを進める方針でした。南北を貫く電車やバスなどの交通路の拡充は、江東区の発展のためには必要不可欠であり、長年の"悲願"でもあります。
しかし、移転が白紙になれば、計画はどうなるのか……。小池知事は何も説明していません。一部からは、「豊洲市場にカジノをつくればいい」という意見もありますが、子供への悪影響の不安もありますし、勤勉を重んじる日本の美徳にも合いません。カジノの招致にも反対です。
私は、オリンピックをきっかけに、日本の食の安全性や伝統文化を世界に発信したいです。
豊洲市場のIT化や、作業の自動化などを進めて効率的に運営し、将来的には民営化も視野に入れるなど、世界を相手に競争できる市場を目指すべきだと思います。
今の保育は安心できない
中野区代表
しらかし 貴子
(しらかし・たかこ)1983年新潟県生まれ。新潟女子短期大学(現・新潟県立大学)卒。都内の認可保育所で保育士を務めた後、現在、小規模認可保育所の園長として勤務。
吉井: 都政の課題と言えば、待機児童問題もあります。中野区で活動するしらかしさんは、保育士の経験を活かしたいとのことですが。
しらかし: 私は保育士を10年やり、現在、園長を務めています。現場で接する親御さんの苦労は想像を絶するものがあります。子供を預けるために引っ越す家庭や、片親になると保育園に入りやすくなる制度を利用して、形式上、離婚する夫婦までいます。子供や親御さんのためにならない保育の現状を何とか変えたいんです。
保育で大切なのは「質」です。子供をモノのように扱う保育園が散見されますし、障害を持つ子供にとってはさらに厳しい環境になっています。
七海: 保育園に預けても、親御さんは安心できないわけですね。
しらかし: 多様なニーズを満たすために、保育園の設置や運営の規制を緩和し、利用者が自由に保育園を選べる「バウチャー制度」(*)を導入したいです。施設が切磋琢磨する中で、保育の質が向上するからです。
このほか、保育施設と老人福祉施設の併設も後押ししたい。これは、北陸地方やアメリカで実際に行われている取り組みです。高齢者の方とふれ合う子供は、いたわりの心や優しい心、命の大切さを学べます。一方、高齢者は生きがいを見つけられ、幸せな最期を迎えられます。
「地域のつながり」で子供を育て上げれば、立派な大人に成長できると思うのです。
(*)個人に対し、保育園などの特定の行政サービス利用に限って補助を行う制度。
予防医療の先進地に
板橋区代表
安原 ひろし
(やすはら・ひろし)1990年東京都生まれ。攻玉社中学校・高等学校、明治大学卒業後、幸福の科学に奉職。社会人教育機関「HS政経塾」第7期生。
吉井: 社会保障政策では、安原さんが予防医療の普及を訴えています。
安原: 私が活動する板橋区の約4人に1人は65歳以上の方です。ある調査では、高齢者対策が日本一になるほど医療が充実しています。
日本は長寿の国と言われていますが、病院に通わず生活できる健康寿命の平均は、男性で71・19歳、女性で74・21歳にとどまります。つまり約10年は、介護などで病院のお世話を受け、延命しているのです。
本当の意味で日本が健康な社会なのか疑問です。介護はお金がかかるし、周りの方の力も借りなければなりません。
やはり、病院のお世話になる人そのものを減らすために、予防医療を広めるべきでしょう。健康な体づくりの知識を啓蒙し、予防に対する予算を増やすなどして、できるだけ多くの方に元気でいてもらいたいです。
その原点には、私が幼いころ、脳出血で言語障害を患っていた祖父が、まともに会話できないまま亡くなってしまった経験があります。病気さえしなければ、いろいろなことを話せたし、思い出も作れたはずです。
そんな寂しい思いを持つ人を減らしたい。だから、予防医療を広めたいのです。板橋区を予防医療の先進地にしたいです。
下町を盛り上げる
荒川区代表
西野 アキラ
(にしの・あきら)1977年東京都生まれ。足立学園高等学校、國学院大學卒業後、幸福の科学に奉職。
七海: さらに東京の課題と言えば、首都直下型地震にも備えなければなりません。
西野: 子供のころから住む荒川区は、木造住宅の密集地域で、揺れによる倒壊や、地震で生じる火事に弱い地域と言われています。そのために、主要鉄道の耐震強化や、道路を広げる区画整理を進めたいです。
防災をきっかけにして、都市計画の中に「都電荒川線の延伸」も盛り込む必要があります。荒川区は人口が増え、交通状況が日々悪化しています。都電を南千住や浅草までつなげれば、混雑の緩和と交通の分散化を図ることができます。
さらに荒川区の中央にある町屋エリアに、高齢者向けのサービスに特化した施設を創ったり、日暮里エリアを町工場の技術集積地として再開発を行う。繊維街の日暮里から世界的なデザイナーを輩出し、ファッションの発信基地にもしたいですね。これぞ、日暮里ドリームみたいな(笑)。
各世代ごとに地域の特色を活かせれば、下町を大きく発展させられます。私を育んだ荒川区に恩返ししたいです。
減税で家族の絆を取り戻す
港区代表
なべ島 ひさし
(なべしま・ひさし)1964年東京都生まれ。御成門中学校、芝商業高等学校を卒業。大原簿記学校の税理士科を経て、現在、駐車場業などを経営。
七海: 都心の港区で活動するなべ島さんは、相続税の減免措置を、自治体を通じて政府に働きかけたいと訴えています。
なべ島: 港区は、人の入れ替わりが激しく、定住が難しい場所です。私の小学校の同級生は40人~50人ぐらいいるのですが、港区に住んでいるのは、片手で数えられるほどに減っています。
原因は、相続税です。相続税は、頑張って働いた人がコツコツ貯めた資産に課税する税金です。家族のために残しておいた資産なのに、相続税を支払うために家を泣く泣く手放す方がたくさんいます。江戸時代の悪代官すらしなかったことが起きているのです。こんな理不尽なことを許してはいけません。
高い税金を納めて、政府に面倒を看てもらうより、安い税金を納めて手元に残った自分のお金で、家族の面倒を看る方が幸福度は高いと思います。
減税により、家族の絆と生活をしっかり守り、消費を活性化させたい。港区に安心して定住できる人を増やしたいんです。
吉井: ぜひ、それぞれの市区町村で政策を実現させたいですね。
七海: 東京を世界一の街に発展させるよう力を尽くしましょう。