《本記事のポイント》
- バーチャルリアリティ技術で、認知症を体験できる
- 障害があっても、魂は健全である
- 相手を理解することが、相手を愛することにつながる
バーチャルリアリティ(VR=仮想現実)技術を応用した認知症体験会がこのほど、埼玉県さいたま市で行われた。ゴーグル型のディスプレイを装着した約50人の参加者が、認知症患者に見えている世界を実体験するものだ。このほど東京新聞が報じた。
記事によると、認知症患者は、車から降りることを促されているだけなのに、まるで屋上から飛び降りることを強要されているように感じたり、電車の中で目覚めるとどこにいるのかわからなくなったりする。患者への聞き取りを基に、そんな状況をVR技術で再現した映像は、参加者の認知症に対する認識を変えているようだ。
「八十四歳になる認知症の母の気持ちが少し分かった。電車の乗り換えができず責めたことも反省させられた」と参加者の女性は語った。
この体験会の主催者で、高齢者住宅を運営している下河原忠道社長はこう訴える。「拒絶や徘徊など認知症の症状には理由がある。異常と決めつけ、閉じ込めなどで傷つけてはいけません」(22日付同紙)
体験会の参加者は、自分にとっては何でもないことでも、患者にとっては脅威に感じられることを実感したという。認知症の人々は状況を正しく認識できないために周りに理解できない行動をすることもあるが、その人なりの考えがあって行動しているわけだ。
障害があっても魂は健全
宗教的な観点から見ると、認知症であっても魂は健全で、周りの人の考えや気持ちなどはすべて伝わっている。肉体に不具合を抱え、自分の気持ちを上手く表現できなくとも、心の中では人と同じように痛みや苦しみ、そして喜びや感謝も感じている。
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『心と体のほんとうの関係。』で、次のように述べている。
「 人間の肉体は、"機械"としての面では、いろいろなところが弱ってくるので、頭脳の機能などがうまく働かなくなることはあります。しかし、そのようになったときでも、"霊的には完璧"です 」
相手を理解できたということは、愛せたことに等しい
また、健康な人からすれば、認知症の人が感じている日常は想像もつかない世界だ。患者が何を考えて行動しているのかが分からず、途方にくれることもあるだろう。しかしこうした体験を通じて、患者の気持ちを理解することができれば、自然と見方も変わってくるのではないか。
大川総裁は、認知症になる人には、思い出したくない過去がある場合も多いと指摘する。自己防衛反応として脳の病気をつくり、辛く悲しい過去を忘れられるようにしているケースもあるという。
認知症の人との接し方について、大川総裁は次のようにアドバイスする。
「 周りの人たちが、もう少し感謝してあげなくてはいけないと思います。周りの人たちから感謝され、現在ただいまが幸福だったら、過去の苦労は幸福なものに変わっていくのです。(中略)なるべく感謝し、ほめてあげ、優しくしてください。それが大事です。それによって、少しずつ好転していくと私は思います。 」
(『奇跡のガン克服法』)
魂の真実を知った時、人は生まれ変われるし、周りの人をも幸福にできる。相手を理解したということは、その人を愛せたということに等しい。(亮)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『心と体のほんとうの関係。』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=124
幸福の科学出版 『奇跡のガン克服法』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=50
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