写真は、米ミズーリ州で10月9日に行われた第2回テレビ討論会。写真:ロイター/アフロ
2016年12月号記事
アメリカ大統領選
日本の味方はトランプだった!
2017年、世界は戦国時代?
次期アメリカ大統領がついに決まる。日米の主要メディアは、ことごとく民主党のヒラリー・クリントン候補側についている。しかし、冷静に分析すると、共和党のドナルド・トランプ候補の方が日本の味方だと分かる。
(編集部 大塚紘子、小林真由美)
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10月にニューヨークを訪れたある日本人男性は驚いた。
「トランプ・タワーでお土産を買い、その袋を持っていたら、通行人からあからさまに『あいつはバカだ』と言われたんです」
米コロンビア大学に留学中の日本人男性もこんな体験をした。
「教授が、『トランプはバカではない』と言うと、学生たちが一斉に批判的な視線を向けたので、慌てて『彼はクレイジーだけど』と付け加えていました」
どうやら、「私はトランプを支持している」と表立っては言えない、妙な雰囲気があるようだ。
嫌われ度も期待度もピカイチ?
一方で、真逆の情報もある。複数のブログやツイッターによると、両候補が全米を遊説する中、ヒラリー氏は小さな会場でも埋まらないこともあるが、トランプ氏の場合、あまりにも多くの聴衆が押し寄せるので、巨大なスタジアムでも入りきらないという。
ニュージャージー州在住の40代男性は、「アメリカはずっと、グローバリストにハイジャックされている。トランプは、私たちを戦争から脱出させてくれる、最後の希望だ」と、トランプ氏を支持する理由を語った。
両候補が直接対決したテレビ討論会の感想を聞くと、ややうんざりした答えが返ってきた。
「ヒラリーはよく準備していたけど、あの作り笑いはやりすぎ。いつも通り、裏表がある偽善者にしか見えなかった」(ニューヨーク在住の30代女性)
政策を戦わせるはずの討論会の場が、トランプ氏の女性蔑視発言や、ヒラリー氏の私用メール問題で非難合戦になったことも、うんざりする理由かもしれない。
トランプ氏はなぜ、嫌われているのに、期待されているのか。アメリカの歴史を振り返れば、その理由が分かる。そこからは、2017年以降の世界情勢や、日本がすべきことも見えてくる。
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