上海交通大学がこのほどまとめたリポートによると、中国では2010年、5日に1度の頻度で大きな騒乱事件が発生したことがわかった。サーチナニュースが伝えている。

サーチナによれば、このリポートはウェブサイト上では一部しか公開されず、印刷したものが参考資料として政府部門に提出された。中国当局はエジプトなどの動向に敏感になっているため、リポートの全体は公表されない可能性もあるという。中国の民間学者・蒲飛指氏は「複数の政府(地元政府と上級政府)が騒乱を一時的に制圧しても、最終的にはエジプトのように大規模な火山の爆発が起こるだろう」と述べているという。

一方1日付け産経新聞によれば、1月30日付け人民日報は「ネット上の民意に耳を傾ける際には悪意の病毒(ウイルス)を防がなければならない」との評論を載せ、チュニジアのようにネット情報が世論を導くことに対し警戒心を示した。だが、そもそも中国のネット利用者がネット情報を信用する要因として、「当局側の情報に透明性が欠けていること」や「情報を適切に提供していないこと」を挙げる専門家もいるという。

「5日に1回」起きているという騒乱に関する情報を「ネット上のウイルス」と呼ぶことで、中国政府は国民の目から真実を隠しきれるのか。インターネットの持つ“情報圧力”によって独裁政権の堤防が決壊する日は、思うほど遠くないかもしれない。(T)

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