与那国島最西端之地の碑( Wikipedia より)

日本人のルーツを探るために実行されている、国立科学博物館などのチームが進めるプロジェクトが話題になっている。3万年前に大陸と地続きだったはずの台湾から、沖縄に渡ったと見られる人々の航海を再現しようと、「草の舟」で与那国島から西表島まで実験航海するというものだ。

グループは、沖縄の島々から約3万年前の遺跡が見つかっていることや、中国南部など南方の地域との関係に注目。アフリカから大陸をつたい、日本にやってきた人がいたと仮定した。当時の人々が台湾と沖縄の間で海を渡れた可能性を検証するため、道具のない時代にも作ることができると想定される6メートルの「草の舟」2隻にそれぞれ7人が乗り込み、手漕ぎで航海する計画だ。

17日に与那国島を出発した「草の舟」は、途中、大幅に北に流されてしまったため、自力での西表島到着を断念。伴走船で漕ぎ手と「草の舟」を南へと運び、18日早朝に西表島近くの海域に降ろされた。そこから再び手で漕ぎ始め、西表島に到着した。グループは今後、強い潮の流れにもかかわらず、祖先が海を越えた謎について研究を続けるという。

神話や伝説もルーツを探る参考に

周りを海で囲まれた日本だが、かつて、さまざまな民族が入ったとみられている。ただ、あまりに古代のことであるため、決定的な証拠が残っていない。そのため、研究も手探りであるのが実際のところだ。

それでは、日本人のルーツを探る手掛かりには、他にどんなものがあるのだろうか。