第一生命保険が開催している「サラリーマン川柳コンテスト」の優秀作品が、このほど発表された。今年で29回目となるこのコンテストは、日常に起きる何気ない出来事を、ユーモアと風刺のセンスで表現した作品を全国から募集し、ネット投票によって順位を決めるもので、1位から100位までが発表される。

毎年、世相を表したクスッと笑える句が発表されるが、今回はその上位の2つから、人生の不幸から抜け出すコツを学んでみたい。

1位 「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」(元自衛官)

2位 「じいちゃんが 建てても孫は ばあちゃんち」(川享)

(その他受賞作品はこのHPで見ることができます。 http://event.dai-ichi-life.co.jp/company/senryu/29th/best_10.html )

1位の句は、熟年離婚が増えている現状を、「ドローン」というリズムある言葉と無人航空機「ドローン」を掛け合わせて表したもの。2位の句は、家を建てたのは「じいちゃん」である自分なのに、孫は「ばあちゃんち」と呼ぶ、よくある光景を寂しさとともに表している。

ともに、「切なさ」や「哀しさ」を感じる句だが、それを「笑い」に変え、「共感」を得ているところが、上位に入った理由ではないだろうか。「なるほど、そういう見方があったのか!」と、1つの物事に多面的な見方があることを教えてくれる。

この2つの句も、別の見方をすれば、違う感情を呼び起こす内容だ。

例えば、第一位の「退職金 もらった瞬間 妻ドローン」という句は、クスッと笑わせてくれるが、もし本当に退職後に妻が消えてしまったら、人生のかなりシビアな状況だ。

また、第二位の「じいちゃんが 建てても孫は ばあちゃんち」は、切なさを感じる句ではあるが、別の見方をすれば「ばあちゃんちと呼ばれても、実はじいちゃんがこの家を建てたんだ。これぞ縁の下の力持ち。見えない所で徳を積むのが男の美学」と誇りに変えることもできる。

1つの物事も受け取り方によっては、「幸福」にも「不幸」にもなる。人生は、様々な出来事が起き続ける。その出来事は、自分ではコントロールできないが、それをどう捉えるかは、完全に個人の自由だ。だからこそ、1つ1つの出来事に対して明るいとらえ方をし、自分自身を励ましていくことが、幸せな人生を送るコツになるのではないか。川柳を通して、色々な見方をする練習をするのも面白いかもしれない。

ここで一句。「満員電車 見方を変えれば 体力づくり」(手)

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