長期金利の指標となる、新発10年物国債の利回りが、16日に一時マイナス0.210%となり、過去最低を5日連続で更新した。

専門家の間では、イギリスのEU離脱による混乱に備えて、他の金融商品よりも安定性のある国債を買う流れが強まっているため、という理由が挙げられている。

日本の長期国債の金利の低さは異常

「国債」とは、読んで字の如く、国が発行する債券。各国政府は、多くの人に債券を買ってもらい、そこで得た資金をさまざまな事業に使う。

ただ、誰もが、国債を買った後に価値が落ちて、売る時に損はしたくない。そのため、政治が不安定だったり、経済が脆弱だったりする国の国債は買い手がつきにくい。そういう国は、金利を高くすることで、多くの人に買ってもらおうとする。

つまり、一般的に、国債の金利が高い国は信用度が低く、国債の金利が低い国は信用度が高い。だが、日本の長期国債の金利の低さは異常だ。

「これが何を意味するか。政府の倒産です」

マイナス金利の下で、日本の国債を買って保有し続けるということは、いずれ財産が減ることを意味する。

この点について、大川隆法・幸福の科学総裁は6月12日、名古屋市内に落慶した「幸福の科学・名古屋正心館」で行った法話「未来へのイノベーション」の中で、マイナス金利は罰金金利のようなものであるとして、こう指摘した。

マイナス金利の下で国債を買ったら、罰金を取られて損していく、というのなら、日本の国債は危ないですよね。みなさん、買い続けますか? 売り払われそうですよね。そうすると、政府が借金しないと運営ができないようになっているのに、その借金を貸してくれるところがなくなることを意味します。これが何を意味するか。政府の倒産です

不安要素をぶら下げ続ける安倍政権

そもそも、マイナス金利でお金を借りやすい環境であるにもかかわらず、個人や企業が積極的にお金を借りないのは、いずれ上がる消費税に不安に感じ、「増税した時に何が起こるか分からないので、今はまだ、お金を使わないで貯めておこう」と考えるからだ。安倍政権がいつまでも「消費増税」という不安要素を国民の前にぶら下げ続けていることは問題だ。

また、お金を貯めたら損をするというマイナス金利政策も、資本主義の精神を傷つける。

いま必要なのは、消費税率を5%に下げる減税政策であり、国民が財布の紐をゆるめて、お金を使うことに積極的になる「雰囲気」をつくることだろう。(大)

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