2016年5月号記事

日本経済はワシらが救う!

年金・介護より、一生働ける社会に

「3人寄れば老後の心配」。社会保障の問題が山積し、「長寿は悪夢」というイメージが広まる今、日本の未来を明るくさせる政策とは何か。男女の平均寿命日本一である長野を訪れ、そのヒントを探った。

(編集部 山本慧)


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小川の庄の外観。

おやきは、小麦粉でできた皮で野沢菜などを包んだ郷土料理。

新潟県に程近い山間部に位置する長野県小川村で、中澤嘉道さん(76歳)は、今日も地元名物おやきを作り続けている。

「働かないとボケちまう」

全国で寝たきりの高齢者が増え、小川村も65歳以上の人口が4割を超えた。中澤さんは言う。

「私は65歳でこの会社に入った。体が動く限り、働きたいねぇ」

65歳で入社。その言葉に一瞬耳を疑ったが、中澤さんが働くおやき製造販売会社「小川の庄」ではよくある話。先代の社長が1986年に、高齢者が多いという環境を逆手に取り、村おこし事業の一環として創業した。 高齢者が畑に行く感覚で働けるよう、集落ごとに工房を設置。その5年後には定年を廃止した。以来、多くの高齢者を戦力化し、今では93歳になる男性も現役だ。

少子高齢化で、将来に不安を抱く地方は多い。だが小川村では、不思議と閉塞感は漂っていない。

次ページからのポイント

82・2歳で日本一

週5働き、週3運動

ピンピンコロリ日本一を目指す 松川村長 平林明人氏