中国で、9歳の子供に毎日16時間の勉強をさせるという「超スパルタ教育」が話題を呼んでいる。香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト紙がこのほど報じた。
同紙が報じたのは、中国のソーシャルメディアに投稿された9歳の男児のスケジュール。朝5時に起床し、6時まで勉強して学校へ行く。下校後は夜22時まで勉強し、23時に就寝する。その間、唯一許された娯楽は、夜19時からの30分間、中国国営ラジオ放送を聞くことだけだという。
賛否両論の「タイガー・マザー式スパルタ教育」
中国では、このような超スパルタ教育を行う母親は「タイガー・マザー」と呼ばれている。元祖タイガー・マザーは、エール大学法学部教授の中国系米国人エイミー・チュア氏。彼女は2011年に『Battle Hymn of the Tiger Mother』(タイガー・マザーの闘いの謳歌)という本を書き、二人の娘に行ったスパルタ教育を紹介した。
例えば、「友人とのお泊り会や学芸会に参加すること」「テレビ鑑賞やコンピュータ・ゲーム」「A未満の成績を取ること」「ピアノとバイオリン以外の楽器を弾くこと」などを固く禁じたという。
彼女の教育方法には賛否両論あるが、やはりブーイングの声が多い。今回紹介した9歳児のスパルタ・ママも批判を浴びているが、当の本人は「子供の将来にとって良いことなので、何の問題もない」として、他の親にも勧めている。
子供は親の"所有物"ではない
ゆとり教育は問題だが、子供に自由な時間を与えない教育方針も極端すぎる。では、親が子供の人生計画をつくり、そのレールを歩かせることについては、どう考えるべきか。
学習塾や、中学、高校などの教育機関を設立し、自身も5人の子供を育てた大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『幸福へのヒント』でこう述べている。
「 最も注意すべき点は、『親は子供を自分たちの所有物のように思う傾向がある』ということです。(中略)肉体はそうでも、魂はもともと実在界にあったものなのです。『親子は別個の人格である』ということを忘れてはなりません。そして、『子供は親の意のままにはならない』ということを念頭に置き、その子の魂の生地、傾向性に最も合った育て方をすることが必要です 」
親は、「自分たちが子供をつくった」と考えるために、子供の人生をコントロールしてもいいと捉える節がある。しかし、子供は親とは別の魂であり、独立した人格であることを認識して、尊重することも必要だ。親の使命は、子供の魂の力を信じ、「子供が伸びていきたい」と思っている方向へと手助けすることではないか。
(小林真由美)
【関連書籍】
幸福の科学出版刊 『教育の法』 大川隆法著
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幸福の科学出版刊 『心を育てる「徳」の教育』 大川隆法著
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幸福の科学出版刊 『幸福へのヒント -光り輝く家庭をつくるには-』 大川隆法著
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