両首脳の会談や記者会見の内容について、特に中国の「人権」「民主化」問題に関する2紙の報道をざっと見てみると、

ニューヨークタイムズ紙

「驚いたことに、胡主席はホワイトハウスの記者会見で、中国が『人権の普遍性を認め、尊重している』と述べた。国内の反政府運動を弾圧し、ノーベル平和賞受賞者を投獄した政府の言葉としては顕著な変化である。中国にとって、政治的談話の中で民主主義や人権などの信条を『普遍的価値』であると認めることは、ほとんどタブーだったのだから」

ワシントン・ポスト紙

「記者会見で胡主席は、人権に関する質問に最初は答えなかった。だが再度そこを突かれると、外遊中の中国指導者のこれまでの発言の慣例を破り、より自由な社会を築くために中国にはやらねばならないことがたくさんあると認め、『人権に関しては、中国はまだまだ多くのことをやる必要がある』」と述べた。

両紙とも、胡主席が中国の「人権」「民主化」問題について一歩踏み出した発言をしたことを特筆している。ただしNYTは、クリントン政権で安全保障問題顧問を務めた外交専門家のこんな言葉も引用している。

「中国が新たな言い回しを使ったからといって、それが新たな現実にイコールでつながるとは思わない。だが、新たな言い回しがなされただけでも、何もないよりはマシだ」

訪米時の記者会見という場における胡主席の言葉が今後「有言実行」になるか、注視していく必要がある。(T)

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