国立アメリカ歴史博物館に設置されている「南京大虐殺コーナー」の写真パネル。

アメリカのワシントンD.C.にある、スミソニアン博物館群の一つである「国立アメリカ歴史博物館」に、南京大虐殺の代表的なねつ造写真が、複数展示されていることが分かった。

幸福の科学国際本部の男性職員によると、昨年12月に同博物館を訪れた際、問題の展示に気がついた。ねつ造写真のパネルには、次のような説明が書かれていたという。

ナチスと同列に論じて、日本を批判

写真1

写真2

「大日本帝国は覇権を拡大する中で、敵国の捕虜に対して極めて残忍な仕打ちや奴隷化をし、虐殺した。最も悪名高いのは、1937年の南京占領だ」(写真1)。「枢軸国のナチス・ドイツ、ファシストのイタリア、そして大日本帝国は、無慈悲に領土と権力を追い求めた。枢軸国の野望のもとには、人種・民族的な優越性への強い信念があり、それが理不尽な殺戮を正当化するために利用された」(写真2)。

だが、展示されている写真は、日本の多くの学者の研究によってねつ造写真であることが分かっており、南京大虐殺そのものが存在しなかったことも明らかになっている。

男性が、博物館側にこの事実を伝え、抗議したところ、博物館の担当者は「これらの写真はアメリカ国立公文書記録管理局(ナショナル・アーカイブ)にある資料から選んだものだ」と答えたという。

アイリス・チャン本にも掲載された嘘の写真

同博物館の写真パネルには、「日本兵が中国人捕虜の首をはねようとしている」とされるものがある。この写真は、全米で約50万部売れた反日プロパガンダ本として有名なアイリス・チャンの著書『ザ・レイプ・オブ・南京』に収められており、アメリカでも有名な写真だ。

しかし、この写真については、刀を持った男性が日本兵であり、座らされている男性が中国人捕虜であることを裏付ける証拠は何もない。寒い冬に季節外れの薄着であることや影の方向が不自然で合成ではないかという指摘もあるが、そもそも、この写真が「南京大虐殺があった証拠」とは言えない。

実はこの写真は、1938年に発行されたオーストラリア人の記者ハロルド・ティンパーリの本にも掲載された。だが、ティンパーリは当時、日本と戦っていた中国国民党の中央宣伝部の顧問を務めていた。反日プロパガンダ写真として使われたことは明らかだ。

ほかにも、同博物館の写真パネルには、「中国人を銃剣術の練習台にする日本兵」とされるものがある。これもアイリス・チャンの本に掲載された写真だが、チャン本を検証した『「ザ・レイプ・オブ・南京」の研究』(藤岡信勝・東中野修道著・祥伝社刊)では、次のように否定されている。

「中国国内の軍閥対立当時に、一方の側で使われた写真が、蒋介石の反共宣伝にも使われ、さらに満州事変、支那事変では反日宣伝用に使い回された」

蒋介石は300回の会見で、一度も「大虐殺」に触れていない

不思議なことに、被害者であるはずの中国国民党の蒋介石は、当時、様々な形で反日宣伝をしていたにもかかわらず、約300回に及ぶ外国人記者団との会見において、一度も大虐殺に触れていない。

当時、南京にいて、本国に日本の悪行の「伝聞情報」を報告し続けていた、アメリカ人のマギー牧師は、戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)の反対尋問で、「あなた自身が目撃した殺人は何件ですか」と尋ねられた際、「一人です」と答えている。

南京大虐殺は、東京大空襲や広島・長崎への原爆投下で、日本の民間人を数十万の単位で殺したアメリカをはじめとする戦勝国が、自分たちの戦争犯罪を正当化し、精神的に日本を二度と立ち直れないようにするためにつくり上げた「嘘」である。

もちろん、南京周辺における戦闘で、多くの日中双方の兵士が命を落とした。つまり、「南京戦」はあっても、民間人や捕虜を狙った「南京大虐殺」は存在しない。

間違った歴史認識が国際社会に広がっているため、昨年の秋、ユネスコ記憶遺産でも、中国の「南京大虐殺」資料が登録されてしまった。だが、この嘘が世界を覆うことを、断じて認めてはならない。

博物館は「写真がねつ造であれば撤去すべき」という姿勢

先述の、幸福の科学男性職員によると、同博物館の担当者が「過去にこの写真について抗議を受けたことはない」と言うので、男性が「もし仮にねつ造写真であれば、歴史資料として展示すべきではないのではないか」と問いかけると、「それはそうだ」と答えたという。

男性は、「博物館担当者のニュアンスは、『写真がねつ造であれば撤去すべき』という、極めて常識的な姿勢だった」と振り返る。

アメリカの最も権威のある博物館が、反日目的の嘘の写真を「歴史的な資料」として展示している状況は看過してはならない。

日本政府は、日本の誇りを守るために、また、嘘の歴史を正して健全な日中関係、国際関係をつくり出すためにも、展示の誤りについて抗議し、撤去させる必要がある。

(小林真由美)

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