中国の「南京大虐殺」資料がユネスコ記憶遺産に登録された問題で、保守系の識者でつくる団体が28日、東京・千代田区で、「『南京大虐殺』の歴史捏造を正す国民大集会」を開き、リレー方式で複数の識者が登壇。約900人の参加者が、熱心に耳を傾けた。

冒頭で、事務局長の水島総・日本文化チャンネル桜代表が挨拶。「戦後70年、私たち日本国民は、いまだ歴史のねつ造を晴らすことができないまま来た。今回、中国共産党が11項目の資料を登録したが、彼らが出したものを一つひとつ粉砕していくことで、逆に、歴史のねつ造を晴らすことができる」

多くの国民に正しい歴史認識を

その後、議長を務める渡部昇一・上智大学名誉教授、中山成彬・前衆議員、外交評論家の加瀬英明氏、近現代史研究家の阿羅健一氏、藤岡信勝・拓殖大学客員教授、近現代史研究家の水間政憲氏などが、次々と登壇。それぞれ、南京大虐殺が存在しないことや、多くの国民に正しい歴史認識を持ってもらい、広げてほしいと訴えた。

以下は、主な登壇者の発言。

「父は南京戦に参加していた」

「当時の国民党政府は、民間に日本の爆弾が落ちたことを国際社会に訴えていたのに、大虐殺のことは訴えていない。大虐殺の責任を取らされ、A級戦犯にされた松井石根大将が、戦後、『初めて聞いた』と言ったのは嘘ではない」(渡部氏)

「父は南京戦に参加した第六師団で新兵の指導係をしていた。日本の軍律が厳しかったことや、大陸には軍閥が入り乱れており、日本軍が来ると人々がホッとしていたことなどを聞かされていた。もちろん、南京大虐殺は『あったはずがない』と言っていた」(中山氏)

「8年前、九段会館で、南京戦に参加した兵士に集まってもらい、証言してもらった。ある元・下士官の方は、『南京陥落から10日後ぐらいに、夜店の出ていた南京の街を、銃も持たずに一人でぶらぶら歩いた』と語っていた。その時つくってもらった印鑑を見せてくれた」(加瀬氏)

歴史戦は、国防の戦い

今回、中国がユネスコ記憶遺産に登録申請していた「南京」資料に対して、日本政府は反論らしい反論をほとんどしてこなかった。だが、歴史戦で敗れれば、日本人の誇りだけでなく、長期的に国力も失われていく。

中国の狙いは、歴史戦で精神的に日本人を敗北させた後、外交面での隷属を強いたり、沖縄をはじめとする日本の領土侵略を考えているはずだ。第二のチベット、第二のウイグルにしようとしているのは、火を見るよりも明らかだ。歴史戦は、国防の戦いと言っても過言ではない。(格)

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