本誌では15年も前から何度も扱ってきた脳死問題。

昨年7月の改正臓器移植法で、15歳未満の子供からの脳死臓器提供を認められるようになったが、生きている子供を前に「脳死は死ではない」と実感する親が多い。読売新聞社が昨年12月に行った調査によると、脳死の可能性にある子供11人のうち6人については、臓器提供の話し合いまでは行ったものの、家族の同意が得られず臓器提供には至らなかった。「良いこととは分かっているが、子供にメスは入れられない」「重い病気でも育てたい」「このまま一緒に生きていきたい」などが提供を見送った家族の理由だ。

このような理由を見ても、眠っているようにしか見えない脳死の子を「死んだ」と親が受け入れられないのは当然である。脳死状態になってから数カ月後に出産した女性、脳死状態になった後に身長が10センチ伸びた女の子、脳死状態で21年半生き続けた少年――など、脳が死んでも人(体)は成長しつづけることを証明する事例は数多い。脳死は決して人の「死」ではないからだ。

また、同調査によると、病院との臓器提供の話し合いにも至らなかったケースの多くは「虐待の可能性がある」ことだが、一件、「両親が脳死を人の死と思っていない」ことが理由に挙がっていたことに少し安堵した。(吉)

【参考記事】脳死の人は、まだ死んでいない

http://www.the-liberty.com/article.php?pageId=1&item_id=42 など

*現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。ザ・リバティwebの購読者にはニュースクリップをメールでも配信しております。