昨年の中国は、東シナ海から第1列島線(沖縄、台湾、フィリピンを結ぶ海上ライン)内の制海権を狙う動きが目立った。今年はさらに、伊豆諸島から北マリアナ諸島、パプアニューギニアをつなぐ第2列島線までの制海権の獲得を目指すようだ。

1 月13日付けの産経新聞によると、5、6の両日、在インドネシア中国大使の章啓月氏が国有企業関係者らとパプアを視察し、港湾整備などに投資する意欲を示していたことが分かった。中国は、昨年12月5日から10日まで軍事代表団をインドネシアに派遣、同月27日から5日間、海軍艦隊をジャカルタに寄港させており、インドネシアとの交流を頻繁に行っている。

今回視察したパプアは第2列島線の南端に位置している。港湾整備に中国資本が投入されれば、ここでの中国の影響力は大きくなり、南シナ海進出への足場となるだろう。この第2列島線の北端には伊豆諸島がある。中国が第2列島線まで海域支配を拡大すると、日本の東京以南の制海権を中国に握られることになる。かつて鄧小平氏の腹心、劉華清・中央軍事委員会常務副主席が打ち出した目標計画は、 2010年までに第1列島線内、2020年までに第2列島線内の制海権の確保だったが、5年ずつずれ込んだとも言われている。

中国はすでに第1列島線内は確保できたと考え、次の段階に移りつつあるのか、計画に何らかの変更があったのか、今回の動きが何を意味しているのかは定かではない。だが、いずれにせよ日本はもはや惰眠をむさぼっている場合ではない。(吉)

*現在、デイリーニュースクリップは無料でお読み頂けます。ザ・リバティwebの購読者にはニュースクリップをメールでも配信しております。