9 日から訪中しているゲーツ米国防長官が、太平洋での中国の軍拡に対応すべく、米軍は新たな軍備開発に投資すると到着前に語った。9日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じたもので、投資先には核兵器搭載可能の新型戦闘機や、ミサイル防衛に使われる妨害電波発信機などが含まれるもようだ。

弾道ミサイルやステルス戦闘機の開発など、新たな脅威になり得る中国の軍備に関する懸念が、ここのところアメリカ新聞紙上でも議論の的になっていた。ゲーツ氏の発言はその懸念を公式に表明したものといえる。折しも国防総省が国防費削減を表明した直後で、投資の具体的な額などは明らかになっていないが、今回のゲーツ氏訪中、また今月 18日に控えた胡錦濤国家主席の訪米を前に、軍拡を続ける中国側へメッセージを送る狙いがあったことが読みとれる。

外交は心理戦でもある。翻って日本の外交を思えば、昨年の尖閣漁船衝突事件のような明らかな事件の時でさえ、船長釈放や損害賠償を求めるなどの中国側の高圧的な姿勢に対し、日本政府は「日中友好」や「戦略的互恵関係」といった、まるで具体的な意味を持たない用語しか返す言葉がなかった。ゲーツ氏の発言を引き合いに出すまでもなく、我が言わんとすることは明らかと思う。

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