安倍晋三首相は8月上旬、戦後70年談話を発表すると見られている。これを控えた31日、幸福実現党は全国で集めた「『河野・村山談話』の無効を宣言し、自虐史観を一掃する『戦後70年談話』を求める署名」32万8958筆を、内閣府を通じて安倍首相に提出した。

河野談話は、あたかも日本軍が慰安婦の強制連行をしたかのように認めたものだが、それを裏付ける調査をしていないことが分かっている。村山談話は、先の大戦を日本の侵略戦争と認めるもので、戦勝国の主張する一方的な歴史観をそのまま受け入れたものだ。「自虐史観の払拭」を掲げる幸福実現党は、両談話の撤回を求めて活動を続けている。

署名提出に先立ち、同党は、首相官邸前で集会を開催。約250人が集まった。

集会では釈量子・幸福実現党党首が、次のように挨拶した。

「(村山談話にある『植民地支配』『侵略』などの表現の踏襲を求める声があるが)安倍首相には、内外の圧力に屈することなく、正しい歴史観をもとに、日本の姿勢を堂々と示すように望みます」

また、釈党首は国会で審議中の安保法制についても言及。「安保法制への反対の奥には、東京裁判史観や、(河野・村山の)2つの談話に基づく、軍事アレルギーがあります」「自虐的な歴史観の撤廃なくして、改憲をはじめとする抜本的な防衛力の整備は困難です」などと語った。

その後、同党幹事長の加藤文康氏と千葉県本部千葉南後援会・渡邉和博氏が、内閣府を訪れ、32万9858筆の署名と、「『河野談話』『村山談話』の無効を宣言すること」「自虐史観を一掃する『戦後70年談話』を発信すること」を求める要望書を提出した。その間、沿道に集まった人々は「日本軍による『慰安婦』の強制連行はなかった!」などと声を上げた。

多くの人々から署名を集めたという大学4年の男子学生は、次のように振り返った。「若者よりも大人の方が、積極的に署名に賛同してくれました。若い人は『河野・村山談話』の内容そのものを知らないし、また、自分の国を愛せないような歴史観が身についてしまっていると感じます。正しい歴史認識を持ち、世界に発信していける国になってほしいと思います」

安倍首相は、新談話を発表するに当たり、こうした国民の声を反映すべきだろう。(居)

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