TPA法案が可決 「中国包囲網」であるTPPの早期締結を目指せ

 

米上院は24日、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の推進に不可欠な、貿易推進権限(TPA)の法案を可決した。民主党議員らの反対が強く、承認取り付けには難航したが、今回の法案可決によりTPP漂流は避けられた形だ。

 

TPAは、他国との通商協定についての交渉権限を、事実上、米大統領に一任するというものだ。アメリカでは通商協定を結ぶ権限が議会にあるため、TPAがなければ、通商合意が議会に否決される恐れがあった。

 

 

TPPの本質は「中国包囲網」

今回の法案成立により、7月中にTPPが大筋で合意される見通しが出てきた。甘利明経済財政・再生相は24日、7月中にTPP参加国の閣僚会議を開く旨を述べ、「7月中に妥結するという決意で各国は取り組むべきだ」と強調した。

 

できる限り早く、TPP合意を取りつけなければならない。TPPの本質は、「アメリカとアジアを経済的に結び、中国は外す作戦」、すなわち「中国包囲網」だ。TPP条項には、知的財産権の保護や人権重視などの概念が含まれるため、中国はTPPに参加できない。TPPは、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に対抗するためのものでもある。

 

 

人民元の基軸通貨化を目指す中国

一方の中国も、アメリカが主導してIMFと世界銀行が担ってきた金融秩序に、挑戦を挑んでいる。中国は、23、24日にワシントンで行われた米中戦略・経済対話で、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨(注)に人民元を加えるよう、アメリカに求めた。実現すれば、メジャー通貨として人民元の信用が高まる。これに対し、アメリカ側は、取引の自由度が不十分だとして、慎重な姿勢を維持している。

 

中国は、AIIB運営はステップの一つと考えており、最終的には人民元を基軸通貨化し、アメリカに代って金融覇権を握ることを目的としている。もし基軸通貨化すれば、万一、欧米などと対立して経済制裁を受けてドル取引できなくなっても、影響は少ない。

 

アメリカのドル覇権が揺らぎつつある原因の一つは、オバマ大統領の内向き姿勢だ。日本がアメリカを支えることで、中国の金融覇権を防ぐ必要がある。そのためにも日本は、TPPを早期に締結し、日米を中心としてアジアの経済的結びつきを強めるべきだ。(泉)

 

(注)IMF加盟国にはSDRが割り当てられる。SDRの構成通貨は米ドルとユーロ、英ポンド、円。その価値は4通貨の相場で毎日変わる。資金難に陥った場合、SDRと引き換えに外貨を借りることができる。

 

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2015年6月号記事 AIIBをめぐる中国の野望をくじくには――次の基軸通貨は人民元? それとも円?(Webバージョン) - 編集長コラム

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Web限定記事 TPPの本質は「安全保障」 安倍首相は対中国包囲網の形成を急げ

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