イスラム・テロをなくす道 - スッキリわかる中東問題【後編】 Part1

イスラム・テロをなくす道 - スッキリわかる中東問題【後編】 Part1

フランス・パリのシャルリー・エブド紙襲撃事件の翌日、亡くなった人たちに追悼の花束を届ける人。事件後、世界各地で犠牲者の追悼式典が催された。写真:ロイター/アフロ

 

2015年3月号記事

 

スッキリわかる中東問題【後編】

 

パリ新聞社襲撃事件

イスラム・テロをなくす道 Part1

 

パリの新聞社襲撃事件以外にも、イスラム国の台頭やパレスチナ自治区ガザへの空爆など、中東発祥の兄弟宗教であるユダヤ・キリスト教とイスラム教の争いは絶えることがない。

2014年12月号に続き、中東問題の核心に迫る後編をお届けする。

(編集部 大塚紘子、長華子、只木友祐、中原一隆、冨野勝寛)

 


contents

 

 

 フランスのシャルリー・エブド紙襲撃事件以降、ベルギーではイスラム過激派の一斉摘発の際に銃撃戦となって2人が死亡した。他方、イスラム教国のパキスタンでは、フランス領事館前でイスラム教を侮辱したことに対するデモが起こり、負傷者が出るなど波紋が広がっている。

 この背景には、イラクとシリアで台頭する過激派組織「イスラム国」に対する欧米の空爆や、ユダヤ人国家イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの度重なる空爆などがある。中東で起きている「イスラム教 対 ユダヤ・キリスト教」の戦いが、今、世界に広がりつつある。

 前出のムハンマドの霊言からも、イスラム教と欧米との対立は根深いことが分かる。イスラム・テロをなくし、中東和平を実現する道はあるのか。幸福の科学が明かす霊的真実を踏まえて、解決の糸口を探る。

 


 

part1 イスラム

 

なぜテロが止まらないのか

 

多くの紛争や貧困に悩まされるイスラム教の国々。

その中から生まれたイスラム過激派は

欧米諸国で断続的にテロを起こしている。

なぜこのような事態に陥ってしまったのか。

歴史をさかのぼって原因と解決策を探る。

 

 

そもそも解説

 

イスラム教ってどんな宗教?

「シャルリー・エブド」襲撃のみならず、テロ事件と聞けばイスラム過激派を連想する人も多いはず。イスラム諸国の女性の人権抑圧やイスラム教徒同士の紛争もしばしば報道されますが、そもそもイスラム教はどんな宗教なのでしょうか。

 

 

平和と寛容の教え

コーランなどに伝わる「夜の旅」の物語を描いたもの。愛馬ブラークに乗ったムハンマドは、大天使ガブリエルに先導され、メッカからエルサレムを瞬時に旅したという。

 イスラム教は、7世紀のアラビア半島で、預言者ムハンマドが神(アッラー)の声を聞き、その教えに基づいてつくられた宗教です

 イスラム教では、神は、それまでもモーセやイエスなどを導いてきたと教えています。しかし、彼らによってつくられたユダヤ教やキリスト教は、人間心によって本来の教えが曲げられたため、改めて最終的な教えである『コーラン』がムハンマドに伝えられたとしています。

 コーランは、「神の言葉そのもの」として神聖視されています。ムハンマドの言行録(ハディース)も重視され、主にその二つから導き出された「イスラム法」(シャリーア)が、イスラム教徒の生き方を示しています。

 イスラム教で大切にされているメインの教えは、コーランで説かれている「神への服従」「寛容」「平和」「公正」などの徳目です。本来は、暴力的な宗教ではないのです。

 

 

野蛮な行為を禁止した

 また、古代アラビアには、女の子が生まれると、嫁入り費用を削るために殺してしまう「女児殺し」の風習がありましたが、イスラム教はこうした野蛮な行為を禁じました。未亡人や孤児の保護を義務化し、女性にも財産の相続権を認めるなど、重要な社会改革を行っています。

 人種や民族による差別も否定しています。民族よりも信仰の絆を優先する社会を築きました。他宗教への迫害も、キリスト教と比べれば少ないものでした。

 社会政策としては「弱者救済」「相互扶助」を重んじます。イスラム圏では、財産の一部を貧民救済に当てる宗教的「喜捨」の制度が定着しています。

 

続きは2ページ目以降へ

 

 

 

次ページからのポイント

そもそも解説 - どうして欧米と対立しているのか

日本が示した近代化の多様性

イスラム法はどうあるべきか

 

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