超常現象は学問の一部として世界中の学者によって研究されており、超常現象の論文サイト「ジャーナル・オブ・エクスプロレイション」などで興味深い論文を読むことができる。

『前世を記憶する子供たち』で有名なバージニア大学の故イアン・スティーブンソン博士が、このサイトの常連であるように、転生輪廻や幽体離脱などの超心理学、テレパシーやESP, UFO学や占星術に未確認動物学など様々な超常現象が世界中で研究されおり、論文が発表されているのだ。

なかでも、ピッツバーグ大学のロバート・マッコーネル博士の論文「超心理学の"敵"」では、超常現象は現にあるにもかかわらず、「超心理学の"敵"の最たるものは、超心理学を冷笑し、正確に伝えてこなかった批評家たちである」という。また念力を使って意識が体に影響を与えることは明白で、祈りや暗示で他人を癒すこともできることから、将来、ヒーリングという医学の分野で健康回復や他からの悪意に対する防御も可能なテクニックの構築が可能になるだろうという。

論文サイト「社会学研究オンライン」に8月15日に発表された「パラノーマル(超常現象)は、まだノーマルである:英国での超常現象体験調査の社会学的影響」は、イギリスの学者による2006年に行われたイギリス全土の16歳以上4096人の超常現象体験調査の論文である。それによると、37%の人に最低1回のテレパシー、ESP、予知、神秘体験、死者とのコンタクトなどの経験があり、パラノーマルはノーマルなことなのだという。

19世紀には超常現象の研究は学問の一部だった。当時、勢力を増してきたマルクスやダーウィンに代表される唯物論に対し、アメリカから始まったスピリチュアリズム(近代心霊主義)が世界的に広がり、一流の科学者たちによって検証されたのである。

しかし、科学の急速な進歩によって伝統宗教が現代人を説得できなくなり、唯物論の蔓延を招き、宗教と科学はトレードオフのように矛盾し合ってきた。しかし、多くの科学者が今でも超常現象を現に認めている。そこに新たな科学的分野を拓くことこそ真に科学的な態度だろう。(純)

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