中国の程永華駐日大使は21日、都内での講演で、日本が「世界ウイグル会議」の日本開催を許可したことを批判する際、驚いたことにオウム真理教を持ち出してウイグル自治区に喩えた。22日付産経新聞が報じた。

程氏は、イスラム教徒が多い中国新疆ウイグル自治区の平和的な独立を目指す「世界ウイグル会議」代表大会が5月に憲政記念館で開催されたことに関し、日本側の対応を批判した。程氏は「(日本など)外国が中国の分裂活動を容認することに断固反対する」と述べ、「仮にオウムの人たちが中国の人民大会堂で集会を開けば、日本はどう思うか」と言及した。

オウムは日本国内で警察の監視下にあるため、中国政府にとっての世界ウイグル会議と同列に論じようとしたのだろう。しかし、この二つを反社会的集団というくくりにまとめるのは、あまりにも乱暴と言わざるを得ない。

オウムは計12人の死者を出した1995年3月20日の地下鉄サリン事件など、一般社会に対してさまざまな犯罪行為を行った犯罪集団だ。信者の監禁や虐待など多くの被害者も出している。

これに対してウイグル自治区は、逆に1955年に中国に侵略され、信教の自由を奪われた状態にある。公務員や労働者、小中高大学生は、職場や学校に所属する前に中国政府から「私は宗教を信じません」という契約書に強制的にサインさせられるという。イスラム教徒の多いウイグルが中国からの独立を求めるのは、人間として何より大切な「信教の自由」の観点から当然だ。

自らの侵略行為を棚に上げて、この二つを同列に扱うなら、中国政府は反社会的カルトと世界宗教の区別すらつかないことになり、とうてい文明国とは言い難い。日本政府は、こういった中国の言いがかり的な批判に対し、宗教の善悪や違いを峻別してしっかり反論してもらいたい。(居)

【関連記事】

2012年7月号記事 映画「ファイナル・ジャッジメント」 - 識者によるインタビュー

http://www.the-liberty.com/article.php?item_id=4305