野田佳彦首相とモンゴルのバトボルド首相が12日、首相官邸で会談し、両国の経済連結協定(EPA)締結に向けた交渉を始めた。

交渉では石炭やレアアースなどの資源開発、インフラ整備、安全保障分野、保険・医療改善のための資金協力で、両国が「戦力的パートナーシップ」を強化することを署名。

また、モンゴル側は世界最大級の石炭埋蔵量を誇るタバン・トルゴイ鉱山開発に日本企業を参入させることも表明した。

昨年の12月には日本の環境省とモンゴルの自然環境観光省との間で環境協力覚書が締結されるなど両国の関係は深まりつつある。

この交渉の背景には2010年9月に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件がある。これが発端となり中国がレアアースの規制を強化してきたことは記憶に新しい。

この事件以降、日本は中国以外から資源を輸入できる体制を作らざるをえなくなったと同時に、中国との関係が悪化した場合の打撃の大きさを痛感させられた。

民主党政権は国内の問題に気を煩わせてばかりいるのではなく、多角的な国際関係を構築していくべきである。特にモンゴルは、ウランや石炭など、多くの資源を有しており、緊密な関係を築くことは、日本にとって大きなメリットがある。もう一段の経済発展を目指したいモンゴルにとっても、日本との関係強化はメリットが大きいはずだ。

中国の軍拡を牽制するためにも、経済的に中国へ依存する体質を改めることは、重要な国家戦略となる。その意味で、モンゴルとの関係強化については積極的に進めてほしいところだ。(佐)。

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